網膜・硝子体

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網膜・硝子体とは?

網膜とは、カメラのフィルムにあたるところで、光を感じる組織です。
硝子体とは、眼球内部の大部分を満たしている透明なゼリー状の組織で、眼球の形を保つ役割を担っています。

網膜と硝子体との関係

硝子体は網膜にくっついていますが、年とともに収縮して網膜から離れます。
これを、後部硝子体剥離といいます。後部硝子体剥離が起きると、目の中にわずかに濁りが発生して飛蚊症(黒いアメーバー状のものや丸いものが見える)が出ます。
※後部硝子体剥離は誰でも起こりうることで病気ではありません。

網膜と硝子体の
病気について(1)

網膜と硝子体が強くくっついている部位は視神経乳頭(目の神経)、黄斑部(網膜の中心部位で特に光を感じる機能がよいところ)、網膜周辺部の3か所あります。
視神経乳頭は、網膜の中でも比較的に強い部位になりますので、後部硝子体剥離が起きても大きな問題とはなりません。
視神経乳頭以外の部位では、後部硝子体剥離に伴って以下のような病気が起こることがあります。
●網膜裂孔
網膜周辺部に穴が開いた状態を網膜裂孔といいます。網膜裂孔を放置すると網膜剥離に進行する場合があります。
症状:自覚症状はさまざまで、無自覚の方もいれば飛蚊症を強く感じる方もいます。網膜の血管に傷ができて、目の中で出血すること(硝子体出血)もあります。その場合は、墨を流したように黒いものが見えます。
治療:網膜裂孔の周辺に、レーザーを照射します。レーザーを照射することで、網膜剥離への進行を予防できます。レーザーの治療時間は5分程度で、患者様への負担は軽度です。
●網膜剥離
後部硝子体剥離が起きると、硝子体と網膜の間に水が溜まります。網膜裂孔を通って網膜の下に水が回ると、網膜が眼球から剥がれてしまいます。これが網膜剥離です。網膜剥離の範囲は、時間とともに広がっていき、最終的に全ての網膜が剝がれてしまいます。自然に治ることはありません。失明につながるため、早期発見・早期治療をすることがとても大切です。
症状:網膜が剥がれている部位は光を感じる機能がなくなってしまうため、剥がれているところは黒く見えます。網膜剥離は網膜の周辺部から始まるため、初期には視界の端が黒く欠けて見え、病気が進行するに伴い黒く見えるところは視界の中心部へと近づいていきます。「黒いカーテンが降りてきた」と表現される患者様もいます。
治療:硝子体手術もしくは強膜バックリング手術をおこないます。

網膜と硝子体の
病気について(2)

●黄斑円孔
網膜の中心部位の黄斑に、丸い穴が開くことがあります。網膜裂孔に比べると、網膜剥離へと進行するリスクは低いですが、近視が強い方ではまれに網膜剥離につながることがあります。
症状:視界の周辺部に問題はありませんが、視界の中心が見えにくくなるため、眼鏡で矯正しても、視力が0.1以下まで下がることがあります。
治療:硝子体手術をおこないます。

●黄斑上膜(黄斑前膜、網膜上膜、網膜前膜と呼ばれることもあります)
後部硝子体剥離が起きた際に、硝子体の一部が黄斑に残る場合があります。取り残された硝子体は黄斑の上で膜となり、年とともに膜は厚くなっていきます。黄斑の中心部は正常時くぼんでいますが、黄斑上膜があるとそのくぼみがなくなります。さらに進行すると黄斑全体が引きのばされ、黄斑の機能が少しずつ落ちていきます。
症状:黄斑上膜が軽度の場合は、自覚症状はありません。病気の進行に伴い視力が低下していき、さらに視界の中心部が、歪んで見えてきます。
治療:硝子体手術をおこないます。

●硝子体混濁
硝子体に濁りが生じている状態です。後部硝子体剥離、網膜裂孔、硝子体出血(硝子体の中に出血がある状態)、悪性リンパ腫など原因はさまざまです。
症状:硝子体の濁りによって光が遮られるために、黒いゴミや糸くずなどのようなものが飛んで見える飛蚊症や、視力低下といった症状が現れます。
治療:レーザーまたは硝子体手術で濁りを取り除くことができます。

網膜と硝子体の
病気について(3)

●糖尿病網膜症
糖尿病で血糖コントロールが悪い状態が長引くと、 目の中の網膜に血管障害が起こり 、視力が低下します。
糖尿病の三大合併症の1つで、日本の中途失明原因の代表的な病気です。定期的な検診と早期の治療をおこなえば、病気の進行を抑えることができます。
症状:初期の時点では視力低下や自覚症状がほぼなく、中期、末期となると網膜出血や網膜剥離などが起こって視力が低下したり、失明したりすることがあります。また網膜剥離や緑内障など、他の病気を併発することがあります。糖尿病網膜症の症状は、病気の進行とともに変化します。
治療:糖尿病網膜症は、完全に治すことができない病気です。治療は、症状の悪化を防ぐためにおこなわれます。血糖値は、網膜症にも大きく影響するため、血糖値のコントロールは糖尿病網膜症治療においてとても重要です。
眼科的治療として、新生血管の発生を防ぐために、レーザーで眼底を焼く網膜光凝固術がおこなわれます。網膜光凝固術とは、網膜の病変部分にレーザーを照射し熱凝固させることで、網膜症の進行を抑制します。
当院では、TOPCON社のパスカルレーザーを導入しております。従来のレーザーでは、病変部分に1点1点レーザー照射が必要でした。当院のパスカルレーザーでは、一度に16点の同時レーザー照射をおこなうことが可能で、治療時間の短縮を図ることができます。また、従来のものに比べ痛みが少ないという特徴もあります。
より低侵襲の治療をおこなうことが可能になりました。
パスカルレーザー

網膜、硝子体の治療方法

●硝子体混濁の程度が軽い場合
保存療法:混濁の程度が日常生活に支障がないレベルであれば経過観察となります。

●炎症や出血により混濁の程度が強い場合
硝子体手術:硝子体の中にある病原を除去する手術をおこないます。

硝子体手術

手術法:
手術は局所麻酔でおこないます。白目の部分に3か所小さな穴をあけます。
3か所の穴の役割は、
1.手術中に眼の形を保つための液体(灌流液)を流し込むためのもの
2.眼の中を見やすくするための照明を入れるためのもの
3.硝子体を切除するカッターを通すためのもの
です。
硝子体を切除した後は、疾患に合わせて処置をおこないます。黄斑上膜では、膜をピンセットで取り除きます。網膜剥離や黄斑円孔では、眼の中に空気やガスを注入して網膜の穴を閉鎖させます。手術時間は10-60分前後ですが、病状によっては3時間程度かかることもあります。空気やガスを注入した場合は、横向きもしくはうつむきで安静にしていただきます。

対応疾患:
当院では主に、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜、硝子体混濁、硝子体出血、糖尿病網膜症に対して硝子体手術をおこなっています。また、角膜移植や緑内障のチューブシャント手術との同時手術も積極的におこなっています。

手術費用

※術式により金額が異なります。詳しくは御受診ください
アクセス

ACCESS

東急東横線/JR横浜線「菊名駅東口」徒歩1分
(東口を出て右へ進んでいただきます。進行方向左手の「Fit Care/TSUTAYA」の先が当院になります。)

住所

〒222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名4-3-11

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