眼瞼下垂とは?症状や原因、治療について

こんにちは。横浜のきくな湯田眼科です。
今日は眼瞼下垂についてお話ししようと思います。
眼瞼下垂とは、上まぶたが正常な位置よりも下がり、視界を妨げる状態のことです。
この症状は年齢と共に現れることが多いですが、若年層にも見られる場合があります。
眼瞼下垂が進行すると、日常生活に支障をきたすこともあります。

今回は、眼瞼下垂の原因や症状、そしてその治療方法についてご紹介します。

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂とは、眼瞼→瞼(まぶた)、下垂→垂れ下がっていること。
つまりまぶたが垂れ下がって見える状態のことをいいます。
まぶたが下がっていることで黒目の上半分が隠れてしまっている状態のことです。
眼瞼下垂になると「視界が狭くなった」「目が疲れやすくなった」などの異変を感じやすくなります。

眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂は、さまざまな原因で発生しますが大きく分けて2つの理由が考えられます。

1.まぶたを上げる筋肉が弱い

まぶたを上げる筋肉は、難しい名前になりますが、上眼瞼挙筋(上眼瞼挙筋腱膜【じょうがんけんきょきんけんまく】)と瞼板筋(【けんばんきん】※ミューラー筋)の2つになります。この2つの筋肉が弱ることによって、まぶたが開きづらくなります。

上眼瞼挙筋は、まぶたを上げる主な筋肉であり、上まぶたを引き上げる役割を果たします。この筋肉が弱くなると、上まぶたが重く感じられ、完全に開けることが難しくなります。
瞼板筋、またの名をミューラー筋は、自律神経によって制御される筋肉で、上眼瞼挙筋と協力してまぶたを持ち上げます。この筋肉が弱ると、特に疲れたときや緊張したときに、まぶたが下がりやすくなります。

これらの筋肉が弱くなる原因としては、加齢が最も一般的ですが、その他にも神経の障害や筋肉の病気、外傷などがあります。例えば、長期間にわたるコンタクトレンズの使用や、眼瞼手術の影響で筋肉が傷つくこともあります。また、糖尿病や重症筋無力症といった全身性の疾患が原因で筋力が低下することもあります。

2.まぶたの皮膚がたるみ、垂れ下がっている

まぶたの皮膚がたるんでいて、垂れ下がっている状態です。この状態を偽性(ぎせい)眼瞼下垂といいます。「偽性=本当ではない」という意味です。まぶたを上げる筋肉に問題はないので、偽性といいます。

偽性眼瞼下垂は、まぶた自体の皮膚が伸びてしまうことによって発生します。このたるみは、加齢に伴って皮膚の弾力が失われ、コラーゲンやエラスチンといった肌を支える成分が減少することが原因です。その結果、皮膚が余ってしまい、上まぶたが垂れ下がって視界を遮ることになります。

眼瞼下垂の症状

眼瞼下垂の症状は、その程度によってさまざまです。
代表的な症状としては、まぶたが下がる事によって「視界が狭くなる」「目の筋肉を余分に使って目が疲れる」「頭を後ろに反らす事で頭痛や首の痛みが生じる」という症状を感じることがあります。

以下はさまざまな症状の中でも、重症筋無力症という、目や手足の筋肉に力が入らなくなる症状の紹介です。
図1 朝方は調子が良く、夕方や疲労時に眼瞼下垂症が起こってくる場合は、重症筋無力症というご病気の可能性があります。
図2 眼瞼(がんけん:まぶたのことです)を動かす筋肉は3つあります。目を閉じる時に働くのは眼輪筋です。
図3 目を開けるときに働くのは、先に述べました上眼瞼挙筋と瞼板筋の2つがあります。
図4 眼輪筋の痙攣により瞼が下がることがありますが、これは眼輪筋痙縮症という病気で、眼瞼下垂とはいいません。

眼瞼下垂の治療について

重症筋無力症による眼瞼下垂を除いて、眼瞼下垂は一度生ずると点眼薬などで治療しても回復することはありません。
下記術式の手術が必要となります。

  1. 上眼瞼挙筋腱膜前転術 (じょうがんけんきょきんけんまくぜんてんじゅつ)
  2. 上眼瞼挙筋腱膜・ミューラー筋複合体前転術 (じょうがんけんきょきんけんまく・みゅーらーきんふくごうたいぜんてんじゅつ)
    ミューラー筋前転術
  3. 前頭筋吊り上げ術 (ぜんとうきんつりあげじゅつ)
  4. 埋没式眼瞼下垂手術 (まいぼつしきがんけんかすいしゅじゅつ)

詳細は当院HPにてご確認ください

眼瞼下垂の相談予約はこちら
その他、目の病気でお困りの方やご相談も
横浜のきくな湯田眼科までご相談ください。