目のシミは『結膜母斑』だけじゃない!
放置は危険?4つの原因と治療法
Conjunctival Nevus

結膜母斑 (けつまくぼはん) 強膜母斑 (きょうまくぼはん)
原発性後天性メラノーシス (PAM) 瞼裂斑 (けんれつはん)

概要

結膜と強膜の違い

  • 結膜 :白目の表面を覆う透明な膜。
  • 強膜 :結膜の下にある白い硬い組織 (いわゆる「白目」)

主な色素病変の種類

一番多くて治療が可能

結膜母斑 (けつまくぼはん)

できる場所 結膜 (白目の表面)

特徴 茶色のシミ。10~30代にできやすい。

治療 レーザー治療が可能。

悪性化 非常にまれ。

強膜母斑 (きょうまくぼはん)

できる場所 強膜 (白目の内側)

特徴 黒いシミ。太田母斑など生まれつきのことが多い。

治療 レーザー治療は難しいことがある。

原発性後天性メラノーシス (PAM)

できる場所 結膜

特徴 50歳以降にできる茶褐色のシミ。

治療 レーザー治療が可能。

悪性化 可能性があり、注意が必要。

注意点 シミが大きくなったり、充血がある場合は要注意。

瞼裂斑

できる場所 結膜

特徴 30歳以降にできる黄白色の結膜のもりあがり。

治療 外科的に切除することがあるが瘢痕が残る可能性がある。
レーザーで治すことはできるが数回の処置が必要。

茶色いシミはレーザーで
治療することができます。
黒いシミはレーザーが
難しいことがあります。

色の違いはこちらをご確認ください

解説医師

湯田 兼次

眼科医

湯田 兼次 Kenji Yuda

ゆだ けんじ

所属

きくな湯田眼科

名誉院長

センター北しみずアイクリニック

理事

専門

眼瞼下垂手術、結膜母斑治療、涙道手術、神経眼科

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結膜と強膜について

白目の部分は「強膜 (きょうまく) 」と呼ばれ、眼球の壁を構成するしっかりとした組織です。
強膜の表面は「結膜 (けつまく) 」という透明で柔らかい膜に覆われており、結膜はわずかに動く性質があります。

白目の表面を覆っている透明な膜が「結膜 (けつまく) 」です。その下にある白くて硬い組織が「強膜 (きょうまく) 」で、結膜によって覆われています。

結膜母斑(けつまくぼはん)
強膜母斑(きょうまくぼはん)について

「母斑 (ぼはん) 」とは、いわゆる“ホクロ”のようなもので、色素を作る「母斑細胞」が集まってできたものです。
白目の表面 (結膜) にできたものを「結膜母斑」、その下の白い層 (強膜) にできたものを「強膜母斑」と呼びます。

結膜母斑

発症年齢
10~30歳
部位
結膜
茶色
治療
気になる場合は、レーザーでの除去が可能です。

結膜母斑のレーザー治療

レーザー前
レーザー直後
レーザーから2週間

強膜母斑、太田母斑

発症年齢
幼少期
部位
強膜
治療
手術と特殊なレーザーを併用した治療で目立たなくすることは可能です。
ただし、切開が必要なため、小さなものではお勧めしません。

強膜母斑の手術前後

手術前
手術後

結膜母斑と強膜母斑の見極めるポイント!

色の違い

結膜母斑は茶色、強膜母斑は黒ずんでいることが特徴です。
茶色のシミはレーザー治療ができる可能性が高く、黒いシミは治療が難しいことがあります。

可動性

結膜は動きがあるため、指で触れて動くシミであれば、結膜母斑である可能性が高く、レーザー治療の対象となります。

動かないシミは強膜母斑の可能性があり、その場合は治療の対象外となることがあります。

※ご自身で結膜を触れると目を傷つける恐れがありますので、気になる場合は必ず眼科医の診察を受けてください。

結膜母斑のレーザー治療

結膜母斑と強膜母斑

結膜母斑は茶色 強膜母斑は黒色

結膜母斑のレーザー治療について

治療の流れ

診察

白目にできたシミの検査を行います。
「結膜母斑」や「原発性後天性メラノーシス」というタイプのシミであれば、治療することができます。

治療

「結膜母斑」や「原発性後天性メラノーシス」の場合は、診察のあとすぐに治療を行います。
「瞼裂斑(けんれつはん)」の場合は、特別なレーザーの機械を使って治療を行うため、別の日に治療を予定させて頂きます。
点眼による麻酔を行った後、レーザー治療を実施します。
レーザー治療は切開を伴わないため、体への負担はごくわずかで、そのままご帰宅いただけます。

治療後の経過

結膜のレーザー治療を受けたあと、少し充血することがあります。
そのため、目に違和感があったり、ごろごろした感じが出ることがあります。
充血や炎症をおさえるために、目薬をお出ししますので、指示通りにお使いください。
コンタクトレンズやカラーコンタクトレンズは、レーザー治療のあとすぐにお使いいただけます。

安全性

レーザー治療は、切開を伴わないため身体への負担がほとんどなく、極めて安全です。
痛みもほとんどなく、治療は数分で完了し、日帰りで受けられます。
術後の合併症としては軽度のごろつき感や充血がみられることがありますが、いずれも目薬で改善します。

レーザー治療のデメリット

レーザー治療ができない場合があります

結膜母斑や原発性後天性メラノーシスは、レーザーによる治療が可能です。
しかし、強膜母斑や瞼裂斑の場合は、通常のレーザーでは治療できません。

当院では At Our Clinic

治療が難しいとされる瞼裂斑に対して、
「エキシマレーザー」と呼ばれる特殊なレーザーを用いた治療を行っています。

瞼裂斑について詳しくはこちら

費用について

結膜母斑のレーザー治療は、保険適用外のため自費診療となります。

当院では At Our Clinic

片眼:22,000円 (税込)
両眼:33,000円 (税込)
で治療を行っております。

治療が複数回必要となることがあります

多くの場合、1回のレーザー治療で十分な効果が得られますが、母斑の色が濃い・広範囲にわたる場合などは、複数回の治療が必要になることがあります。

原発性後天性メラノーシス (PAM) について

白目の表面に見られるシミのうち、若い方に多いのが「結膜母斑」です。
一方、50歳以降に新たに現れることが多いのが「原発性後天性メラノーシス (PAM) 」という状態です。

PAMは見た目が結膜母斑とよく似ており、区別がつきにくいことがありますが、発症する年齢や経過に違いがあります。

ごくまれに悪性黒色腫 (メラノーマ) へ進行する可能性があるため、慎重な経過観察が必要です。
PAMには、良性のものから黒色腫へ進行する可能性のあるタイプまでいくつかの種類があり、正確な診断には切除しての組織検査が必要となることもあります。

通常は、まず定期的な経過観察を行い、必要に応じて検査や治療を進めていきます。

以下のような変化が見られた場合は、早めの眼科受診をおすすめします。

  • シミが急に濃くなった
  • 急に広がった
  • 形がいびつになった

特に50歳以降に新たに白目のシミに気づいた場合は、自己判断せず、眼科専門医にご相談ください。

瞼裂斑について

瞼裂斑 (けんれつはん) は、結膜 (白目) の部分にできる小さな黄色い隆起で、黒目の横、目頭側または目尻側に生じるのが特徴です。

原因

瞼裂斑 (けんれつはん) は、長年にわたって結膜にダメージや炎症が繰り返し加わることで発生します。

主な要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 紫外線
  • 乾燥
  • ほこりや汚れ
  • コンタクトレンズによる刺激

特に、屋外での活動が多い方や高齢の方に多く見られる傾向があります。

症状

ほとんどの場合、症状はありません。
ただ、まれに「目が赤くなる」「ゴロゴロする」といった違和感を感じることがあります。

治療

ほとんどの場合、特別な治療は必要ありませんが、次のような場合には対処が可能です。

充血が気になるとき

炎症を抑える目薬 (抗炎症点眼薬) で、赤みや違和感を和らげることができます。

見た目が気になるとき (美容的な理由)

以下の2つの方法があります。

外科的に取り除く方法 (切除手術)

小さなメスで、ふくらんだ部分を取り除きます。
ただし、傷あと (瘢痕) が残って、かえって目立つこともあります。

レーザーでの治療 (エキシマレーザー)

メスを使わず、やさしく表面を削る方法です。
痛みや腫れが少なく、傷あとも残りません。
見た目が気になる方には、この方法が選ばれることもあります。

当院では At Our Clinic

瞼裂斑 (けんれつはん) は、最新のエキシマレーザー治療で切らずに治すことができます。

メスを使わないため、痛みや腫れが少なく、回復もスムーズ。
見た目の改善を目指したい方にとって、安心で身体にやさしい治療法です。

エキシマレーザー治療

お子さまの白目に見える「シミ」について

子供の強膜母斑

強膜母斑は、白目(強膜)の内側に青っぽく見える部分で、小さなものも含めると多くのお子さまに見られる現象です。

海外の研究では、以下のような割合で確認されています。1)

  • 1歳以下の乳児 : 男の子 4.9% 、女の子 4.1%
  • 6歳児 : 男の子 44.6% 、女の子 46.6%
  • 18歳児 : 男の子 11.1% 、女の子 13.2%

成長に伴って自然に目立たなくなることも多く、ほとんどの場合、特別な治療は必要ありません。

引用 1) Scleral melanocytosis and oculodermal melanocytosis (nevus of Ota) in Chinese children Leung et al. J Pediatr. 2000 Oct;137(4):581-4

子供の結膜母斑

10歳以降から見られることが多く、色素をつくる細胞 (メラノサイト) の増加によってできるものですが、悪性の腫瘍ではありません。

思春期にはホルモンの影響で大きくなることがありますが、通常は経過を見ていれば問題ありません。

Point

赤ちゃんや小さなお子さまの白目にシミがあっても、ほとんどは生まれつきの強膜母斑であり、心配はいりません。

多くの場合、成長とともに目立たなくなっていきます。

ご心配な場合は、定期的に写真を撮って記録しておくと、変化に気づきやすくなり安心です。

気になる点があれば、眼科で診てもらいましょう。

よくある質問

結膜母斑、強膜母斑、PAMの症状について教えてください

これらの「シミ」は、見た目に現れるだけで、自覚症状が出ることはほとんどありません。
また、視力や見え方に影響することも通常はありません。

ただし、シミが急に大きくなったり、赤くなって痛みを伴う場合は、まれに悪性の変化が起きている可能性もあるため、早めに眼科を受診してください。

結膜母斑は、大きくなることはありますか?

海外で行われた結膜母斑のある約400人を対象とした研究では、

13% の方に色の変化が、

8% の方に大きさの増加が見られたと報告されています。1)

結膜母斑は基本的に良性で、ほとんど変化しないものですが、色や大きさの変化が気になる場合には、定期的に眼科で経過を確認することをおすすめします。

引用 1) Clinical Features and Natural Course in 410 Consecutive Patients
Shields et al. Arch Ophthalmol. 2004 Feb;122(2):167-75.

結膜母斑が妊娠中に大きくなっていますが、問題ありませんか?

結膜母斑は、ホルモンの影響で大きさや色が変化することがあります。
特に、思春期や妊娠期は変化が起こりやすい時期です。

また、経口避妊薬(ピル)もホルモン剤の一種であり、結膜母斑を大きくする可能性があります。
原因の場合、通常は大きな問題はありません。

変化が気になる場合は、経過を見守るか、眼科で確認を受けることをおすすめします。

紫外線で結膜母斑が大きくなることはありますか?

紫外線が結膜母斑の大きさに影響を与えることがあります。

ホルモン以外にも、遺伝的体質や紫外線の影響が結膜母斑に関与していると考えられています。

そのため、サングラスなどを使って紫外線を防ぐことが、結膜母斑の進行予防に役立つ可能性があります。

白目のシミはガンになることはありますか?

原発性後天性メラノーシス (PAM) は、まれに癌化することがあります。
(メラノサイトに異常が見られる場合、13% 、全体では4% の頻度と言われています。)

癌化した場合、悪性黒色腫 (メラノーマ) と呼ばれ、一般的には「ホクロの癌」として知られています。
癌化はあくまでまれなケースであり、白目にシミがあるからといって過度に心配する必要はありません。

ただし、以下のような症状が見られる場合は、注意が必要です。

シミが急激に大きくなっている

盛り上がっている

充血を伴い、母斑の周囲が赤くなっている

シミの範囲が広がっている

これらの症状に当てはまる場合、癌化のリスクがあるため、早期の受診をお勧めします。

結膜母斑も癌化することは絶対にないとは言えませんが、原発性後天性メラノーシスと比べると、癌化する可能性は非常に低いとされています。

手術費用

結膜母斑のレーザー治療

レーザー治療は健康保険支給対象外のため、自費診療となります。

片目

22,000円(税込)

両目

33,000円(税込)

瞼裂斑のレーザー治療

片目

初回
27,500円(税込)
追加
16,500円(税込)

両目

初回
49,500円(税込)
追加
22,000円(税込)

※診察代・レーザー費用・目薬代・消費税は治療費用に含まれます。
※診察のみ希望の場合は保険診療となります。
※保険適用外ですが、カルテ作成のため保険証を必ずご持参ください。
※ほとんどの場合は1回で改善しますが、追加レーザーが必要となる場合もあります。