角膜

Information

角膜とは?

角膜とは、眼球の一番前にある透明なドーム状の膜です。役割は、大きく分けて3つあります。
1.光を通す
2.光を屈折させる
3.壁として異物の侵入を防ぐ

厚さは約0.5mmですが、この透明な組織は細分化すると5層に分かれています。その一番外側から、角膜上皮細胞・ボーマン膜・角膜実質・デスメ層・角膜内皮細胞となります。

角膜移植手術

角膜移植手術は、上記の機能が損なわれてしまい、点眼などでは治療できない場合に適応となります。具体的には、以下に当てはまる場合です。
①角膜が混濁したとき
②角膜が光を正しく屈折しないとき
③角膜に穴が開いたとき、または開きそうなとき
角膜移植は、機能を失った角膜を取り除いて新しい提供角膜を縫いつけます。現段階では、亡くなられた方から提供された貴重な角膜を使用しています。

角膜移植の原因疾患

角膜移植の主な原因疾患は、水疱性角膜症、円錐角膜、角膜混濁、角膜潰瘍、角膜ヘルペス、角膜変性症(ジストロフィー)、化学傷/熱傷などです。

使用する角膜の提供方法

大きく2通りの方法があります。国内ドナーを用いる方法と海外ドナーを用いる方法です。
1.国内ドナーを使う場合:
献眼の意思のある方が亡くなられた際、ご遺族の承諾を得て、アイバンクに眼球が提供されます。
アイバンクでは、提供された角膜が移植手術に適しているかどうかを検査した後、公平・公正に斡旋します。
緊急症例に対しては、他のアイバンクから斡旋していただく場合もあります。緊急手術でおこなわれるため、手術日を計画することはできません。
2.海外ドナーを使う場合:
残念ながら、我が国における角膜の提供数は不十分です。当院では、米国のアイバンクから海外ドナー角膜を入手する方法もとっています。

使用する角膜の
安全性について

※使用する角膜の安全性について
国内ドナー角膜も海外ドナー角膜も、安全性については同等の基準で厳しいチェックをおこなっています。患者様に感染症などを持ち込まないよう、可能な限りドナーの血液検査をおこなっています。また提供された角膜の状態についても、濁り・傷の有無や内皮細胞密度などをアイバンクで詳しく検査します。
これらの検査に合格した角膜のみ、角膜移植に使用します。しかしながら、未知の病原体を含め、すべての感染症を確実に検出することはできないという現状もあります。他者の組織を自身に取り入れる移植という医療の特性上、感染等の危険性はゼロではありません。

角膜移植手術の種類

角膜移植は大きく、全層角膜移植術(PKP)・深層層状角膜移植(DALK)・角膜内皮移植(DSAEK/DMEK)、の3つに分けられます。
全層角膜移植術(PKP)は角膜の上皮層、実質層、内皮層、全てを取り替える手術のことです。
深層層状角膜移植(DALK)は患部が実質層全体に及んでいる場合であって、患者様の内皮細胞密度が十分にある場合に選択されます。
患者様ご自身の内皮細胞が残せるために拒絶反応を起こしにくくなる利点があります。ただし、内皮層ぎりぎりを剥離する必要があり、ご自身の角膜の深い部分が残せない場合には手術中に従来型の全層角膜移植手術(PKP)に変更する場合もあります。
角膜内皮移植(DSAEK/DMEK)は角膜の内側にある内皮細胞だけに障害がある場合に、内皮層のみを取り替える手術です。深層実質の一部と内皮層を移植する方法をDSAEK、内皮層のみを移植する方法をDMEKといいます。
DMEKは他の角膜移植術よりも難易度が高いが、術後の視力回復はよく、1週間で1.0の視力がでることもあります。
これ以外にも、表層角膜移植(LKP)、輪部角膜移植(LT)があります。
また、当院では後述するクロスリンキングで改善が得られない、進行の強い円錐角膜に対してボウマン膜移植をおこなっております。

角膜レーザー治療

角膜の表層に混濁がでる帯状角膜変性、遺伝性疾患である顆粒状角膜ジストロフィやアベリノ角膜ジストロフィに対して、当院ではエキシマレーザーを用いて治療的表層角膜切開術(PTK)をおこなっております。角膜表層の混濁をエキシマレーザーで切除することにより、見え方の向上を図る治療です。
また結膜に白く盛り上がりができる瞼裂斑に対しても、エキシマレーザーを用いた治療をおこなっております。
当院では、ZEISS社のエキシマレーザーシステム MEL 90を導入いたしました。MEL 90は、長年の臨床経験と革新的な技術を兼ね備えた、厚生労働省の認可を受けた最も新しいエキシマレーザーです。最速クラスのレーザー照射スピードを誇っており、手術の負担はより少なくなりました。
エキシマレーザー

角膜クロスリンキング

角膜クロスリンキングは、角膜にビタミンB2を点眼した後に紫外線を照射することで、角膜のコラーゲンを強く補強する治療法です。主に角膜の病変が進行することで、薄くなり強い乱視をきたす円錐角膜や、レーシック後の角膜が風船のように広がってしまう角膜拡張症に対しておこないます。角膜形状を保持して、円錐角膜の進行を抑えることができます。
当院では、APPASAMY ASSOCIATES社のCL-UVRを用いて、角膜クロスリンキングをおこなっております。従来の角膜クロスリンキングは、治療時間が片眼で1時間程度もかかっていました。当院では患者様の負担を軽減することを目的とし、20分程度で治療をおこなうことができる最新の機器を導入しました。
※この治療は進行を抑える治療であり、治療後に角膜形状や視力が改善するわけではありません。

最先端の角膜治療

当院では、角膜専門医である林孝彦医師が、すべての角膜移植をおこなっております。当院での角膜移植の件数は神奈川県内1位であり、すべての角膜移植手術が可能です。特に、林孝彦医師は角膜内皮移植術であるDMEKのスペシャリストで、これまでおこなってきたDMEKの件数は日本では群を抜いて1位になります。
DMEKは他の角膜移植術よりも難易度が高い分、術後の視力回復がよく、術後1週間程度で1.0の視力がでることもあります。
ヨーロッパでは、術後の視機能の結果からDSAEKよりもDMEKが多くおこなわれていますが、日本では残念ながらDMEKをおこなうことができる医師が少なく、DSAEKが主におこなわれているのが現状です。
また、中程度の円錐角膜に対して角膜クロスリンキングを、進行の強い円錐角膜に対してはボウマン膜移植、深層角膜移植、全層角膜移植をおこなっております。当院はボウマン膜移植を受けられる数少ない施設の1つです。
角膜の病気でお悩みの方は、林孝彦医師にご相談ください。

手術費用

※術式により金額が異なります。詳しくは御受診ください。
アクセス

ACCESS

東急東横線/JR横浜線「菊名駅東口」徒歩1分
(東口を出て右へ進んでいただきます。進行方向左手の「Fit Care/TSUTAYA」の先が当院になります。)

住所

〒222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名4-3-11

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