見えづらさに悩んでいた方へ――
最新の円錐角膜手術「ケアーズ」は、
角膜を温存しながら、見え方の質を改善する新しい治療法です。
治療法には、ハードコンタクトレンズ、角膜クロスリンキング、角膜移植、角膜内リング (ICRS) 、そして「ケアーズ」があります。
ここでは、ケアーズとICRSについて解説します。
円錐角膜の治療について
ヒト角膜由来のリング
アクリル樹脂でできたリング
角膜内リング(ICRS)とケアーズは、
角膜のゆがみをリングで矯正する治療法です。
角膜内にアクリル樹脂製のリングを挿入し、円錐角膜による角膜のゆがみを改善します。
角膜内リングは取り外しが可能で、必要に応じて再調整ができます。
軽度から中等度の円錐角膜に対して、視力の改善が期待できます。
「やらなければよかった」と後悔しないために…
角膜内リングを挿入するには、角膜の厚みが400㎛ 以上必要です。
円錐角膜が進行すると角膜が薄くなるため、進行した場合には適応できません。
角膜のゆがみを改善することはできますが、進行を抑えることはできません。
角膜内リングの挿入により、角膜が濁る可能性があります。
リングが人工物であるため、なじみにくい場合には角膜が薄くなることがあります。
また、リングの一部が角膜外に露出する可能性があります。
手術後は細菌感染に注意が必要です。
「ケアーズ」は、角膜内にヒト角膜コラーゲンリングを挿入し、角膜のゆがみを矯正する治療法です。
角膜内リング (ICRS) を基に開発され、ヒト由来のリングを使用することで、角膜になじみやすくなっています。
そのため、角膜が薄くなるリスクやリングの露出といった問題がありません。
さらに、進行した円錐角膜にも対応可能です。
ドナー角膜
冷凍
殺菌処理
ドナー角膜
弓状のリング
ケアーズのヒト角膜は冷凍処理によって細胞が取り除かれるため、拒絶反応は起こりません。
また、感染予防として殺菌処理が施されています。
ただし、感染のリスクを完全にゼロにすることはできないため、手術後は角膜移植専門医による慎重なフォローが推奨されます。
ケアーズは、2015年にJacob医師によって、角膜内リングに代わる新たな円錐角膜治療法として開発されました。
2018年にはその手術方法が学会誌に投稿され、その有用性が認められ、世界中で普及しました。1)
その後、円錐角膜の個々の状態に合わせてヒト角膜コラーゲンリングをカスタマイズする方法が考案され、円錐角膜のゆがみをより正常に近づけることが可能となりました。2)
引用
1) Corneal Allogenic Intrastromal Ring Segments (CAIRS) Combined With Corneal Cross-linking for Keratoconus
Jacob et al. J Refract Surg. 2018 May 1;34(5):296-303.
2) Customized corneal allogenic intrastromal ring segments (CAIRS) for keratoconus with decentered asymmetric cone
Jacob et al. Indian J Ophthalmol. 2023 Dec 1;71(12):3723-3729.
当院でケアーズを執刀する林孝彦医師は、
ケアーズの開発者であるJacob医師と親交があり、
同医師より直接手術指導を受け、2024年1月よりケアーズを導入しております。
その後も、学会発表や書籍の執筆などを通じて、
Jacob医師と継続的に共同活動を行っております。
「角膜クロスリンキング」は、ビタミンと紫外線を用いて角膜を強化する治療法です。
円錐角膜の進行を抑制する効果があります。
円錐角膜の進行が顕著な場合は、ケアーズ後に角膜クロスリンキングを併用することで、治療効果を維持することができます。1)
角膜クロスリンキングについて
| 片眼 | 両眼 | |
|---|---|---|
| 角膜クロスリンキング | ¥165,000 (税込) | ¥297,000 (税込) |
| ケアーズ(CAIRS) |
¥200,000 前後
※リングのサイズや挿入範囲によって、 |
- |
| ケアーズ(CAIRS) +角膜クロスリンキング |
ケアーズの手術費用 + ¥77,000 (税込)
(角膜クロスリンキング費用として) |
|
現時点では、円錐角膜治療に対する補助金はございません。
生命保険については、加入条件によっては給付金の対象となる場合があります。
詳細については、ご契約中の保険会社にお問い合わせください。
円錐角膜は、指定難病の対象ではございません。
円錐角膜の診断のみでは障害者認定を受けることはできません。
視力が良い目で矯正視力0.6以下、悪い目で矯正視力0.02以下の場合、
障害者認定を受けられる可能性があります。
詳細については、担当医師にご確認ください。

眼科医
林 孝彦 Takahiko Hayashi
はやし たかひこ
日本大学眼科Nihon University
診療教授
角膜移植学会
理事
きくな湯田眼科
角膜外来主任医師
林孝彦医師は、角膜移植のスペシャリストです。
特に国内では執刀できる医師が少ないケアーズや角膜内皮移植術 (DMEK) を得意としています。
日本角膜移植学会の理事であり、日本大学眼科の診療教授として、日本における角膜移植の普及に尽力されています。

眼科医
清水 俊輝 Toshiki Shimizu
しみず としき
センター北しみずアイクリニック
院長
きくな湯田眼科
非常勤医師
日本大学
兼任講師
清水俊輝医師は角膜移植・白内障手術・小児近視治療を専門にしています。
これまで横浜市立大学と日本大学で角膜外来を10年以上にわたり支えてきました。
研究分野においては、世界で初めて角膜移植におけるエクソソームの役割を明らかにし、国内外から高い評価を得ています。