コンタクトレンズは目の健康に直結します。
合併症のリスクを避けるためにも、眼科医がおすすめする正しい選び方が大切です。

院長
湯田 健太郎 Kentaro Yuda
ゆだ けんたろう
きくな湯田眼科
院長
センター北しみずアイクリニック
理事
妙蓮寺眼科
非常勤
コンタクトレンズは、角膜 (黒目の表面) に直接のせる小さなレンズです。
光の屈折を調整することで、近視・遠視・乱視・老眼を矯正し、ピントを合わせて見えるようにします。
水分を多く含み柔らかい素材でできています。
装用感が良く、初めての人にも使いやすいです。
1日使い捨てタイプなどが主流で、衛生的に使用できます。
硬くて形が安定しており、酸素透過性が高いのが特徴です。
乱視の矯正力が高く、長期間の使用に適しています。
慣れるまで少し時間がかかることがあります。
水分を多く含む柔らかい素材。
古くから使われているタイプ。
現在の主流。酸素透過性が高く、目にやさしいソフトレンズ素材です。
ハードレンズ(RGP)に使われる素材。
非常に高い酸素透過性を持ち、長時間使用に適しています。
「−」は近視、「+」は遠視。
例 : -3.00、+2.00
目の丸みに合ったカーブ。
例 : 8.6㎜ 、8.4㎜
レンズのサイズ。
例 : 14.0㎜ 、14.2㎜
乱視用レンズで使用。
例 : -1.25
乱視の角度。
例 : 90° 、180°
老眼補正。
例 : +1.50
数値が高いほど目に酸素が届きやすい
高いと柔らかく乾きやすい。
例 : 38% 、58%
目を紫外線から守る機能付きのレンズもあり
瞳が大きく見える範囲
例 : 13.4㎜
これからコンタクトレンズの使用を検討している方には、ソフトコンタクトレンズをおすすめします。
ハードコンタクトレンズを長期間使用していると、「眼瞼下垂 (まぶたが下がる病気) 」を発症するリスクがあることが知られています。
眼瞼下垂は一度発症すると自然に治ることはなく、手術が必要になるケースもあります。
ソフトコンタクトレンズでも長期間使用により眼瞼下垂のリスクはありますが、ハードレンズと比較するとその頻度は低いと報告されています。1)
以前は、「ハードレンズの方がドライアイになりにくい」といった利点がありましたが、近年のソフトレンズは素材の改良が進み、装用感や酸素透過性などが大幅に向上しています。
そのため、ハードレンズのメリットは以前ほど大きな差ではなくなってきています。
ただし、強い乱視や円錐角膜など角膜が変形する病気がある場合は、ハードコンタクトレンズでなければ視力矯正ができないことがあります。
このようなケースでは、医師の診察のうえでハードレンズの使用が推奨されます。
コンタクトレンズは、眼科を受診せず、処方箋なしでも通販で簡単に購入できます。
しかし、コンタクトレンズには度数だけでなく、サイズやベースカーブなど、目の形に合わせた細かい調整が必要です。
特に乱視がある方は、自分で乱視の度数や軸 (角度) を正確に判断することはできません。
合っていないコンタクトレンズを使用すると、眼精疲労や角膜を傷つける原因となり、近視の進行を早めてしまうこともあります。
そのため、これからコンタクトレンズの使用を始めようと考えている方は、必ず眼科を受診し、自分に合ったレンズを処方してもらう必要があります。
初回は「トライアルレンズ」を使い、実際に数日~数週間装用して問題がないか確認します。
問題がなければ、そのレンズを継続して使用する形になります。
以上の理由から、コンタクトレンズの使用開始時には、少なくとも2回の眼科受診が必要です。
その後は、ネットでの購入も可能ですが、コンタクトレンズはドライアイやアレルギー、角膜障害の原因となることもあります。
重症化すると細菌感染を引き起こすリスクもあるため、年に1回は定期的に眼科で検診を受けることをおすすめします。
コンタクトレンズには年齢制限はありませんが、一般的には自分でしっかり管理できる中学生ごろからの使用が推奨されます。
スポーツなどでメガネの使用が難しい場合は、小学生でも使うことがあります。
使用開始のタイミングは、眼科医と相談して決めましょう。
近年では、近視の進行を抑える目的のコンタクトレンズ (EDOFレンズやオルソケラトロジー) が登場しています。
特にオルソケラトロジーは、夜間に装用することで角膜の形を変え、日中の視力を改善しながら近視の進行を抑える効果が期待されています。
治療効果や適応については、眼科での診察が必要です。
コンタクトレンズを装用したまま目薬を使用する主な理由は、乾き目 (ドライアイ) や異物感、かゆみなどの不快感を軽減するためです。
ドライアイや異物感には、ドライアイ用の点眼薬が効果的です。
以前は、これらの目薬に含まれていたベンザルコニウム (防腐剤) がコンタクトレンズを変色させるリスクがあり、レンズ装用中の使用は避けるべきとされていました。
しかし、現在は防腐剤無添加タイプや、ベンザルコニウムを含まない製品が主流となっており、コンタクトレンズの上から使用できるドライアイ点眼薬が増えています。
目のかゆみには、アレルギー性結膜炎の治療薬「アレジオン点眼液」などが有効です。
アレジオン点眼液は、コンタクトレンズ装用中でも使用できるとされています。
カラーコンタクトレンズ (カラコン) は、ファッション性が高い一方で、品質や安全性が重要です。
以下は、日本国内で信頼できるメーカーを安全性・品質管理の観点から評価し、まとめたものです。
カラーコンタクトレンズを選ぶ際には、医療機器としての承認を受けているか確認してください。
国内承認のあるレンズには、必ず医療機器承認番号が記載されています。
医療機器承認番号の記載のないものは承認のないレンズであるため、カラーコンタクトレンズによる合併症のリスクがあるため使用しないようにしましょう。
基本的には寝る前に必ず外すのが原則です。
ソフトレンズ、特に使い捨てタイプは装用中に涙の量が減ると酸素不足になりやすく、角膜障害や感染症のリスクが高まります。
どうしても装用したまま寝る必要がある場合は、「連続装用可能」なレンズを医師の指示のもと使用してください。
おすすめできません。
お風呂のお湯やシャワーにはアカントアメーバなどの微生物が含まれている可能性があり、角膜感染症 (アカントアメーバ角膜炎など) のリスクがあります。
どうしても外せない場合は、水が目に入らないよう注意し、入浴後はすぐにレンズを外すようにしましょう。
原則として禁止です。
プールの水には細菌やアカントアメーバなどの微生物が含まれており、重篤な角膜感染症を引き起こすリスクがあります。
どうしてもコンタクトレンズを装用したまま泳ぐ必要がある場合は、
ワンデータイプの使い捨てレンズ+ゴーグルの併用が必須です。
泳いだ後は、すぐにレンズを外して廃棄してください。
また、度付きのゴーグルも市販されており、これを利用するのがより安全な選択です。
なお、ハードコンタクトレンズは外れやすく紛失のリスクが高いため、プールでの使用は特に避けるべきです。
コンタクトレンズ使用中にごろごろ感やかゆみがある場合、以下のような原因が考えられます。
これらの場合には、以下のような治療や対応が必要です。
症状が改善しない、または何度も繰り返す場合は、次のような原因が考えられます。
このような場合には、
などの対応が有効です。
上記の対策でも改善が得られない場合は、コンタクトレンズの使用自体を中止し、
といった方法で、コンタクトに頼らない生活スタイルへの転換が必要になることもあります。
タンパク汚れやレンズの長期使用、不十分な洗浄が原因で発症します。
症状としては、かゆみや異物感、まぶたの裏に小さなブツブツが見られます。
抗アレルギー点眼薬の使用や、レンズのケア方法の見直しが必要です。
汚れがつきにくい1dayコンタクトレンズに変更することで改善することがあります。
繰り返し症状が現れる場合は、コンタクトレンズの使用を中止し、眼鏡の使用を検討するか、近視矯正手術の選択肢も考慮する必要があります。
近視矯正手術についてはこちら
保存液や洗浄剤の成分に対してアレルギー反応を起こすことがあります。
かゆみ、充血、涙目などがみられる場合は、薬剤を変更し、防腐剤フリーの製品に切り替えることが勧められます。
エアコンの使用やパソコン作業、長時間のレンズ装用などが原因で、目が乾きやすくなります。
目の乾き、疲れ、ぼやけを感じることがあり、人工涙液の使用や装用時間の見直しが有効です。
コンタクトレンズの長時間装用や乾燥、汚れが原因で、角膜の表面に傷がつくことがあります。
ゴロゴロした異物感やまぶしさ、軽い痛みを感じることがあり、装用を中止して点眼治療を行う必要があります。
酸素不足により、角膜に血管が伸びてくる状態です。
自覚症状が少ないこともありますが、進行すると視力に影響を与えるおそれがあります。
酸素透過性の高いレンズに変更したり、装用時間を短縮することが推奨されます。
角膜にできた傷から細菌が感染することで発症します。
強い痛みや充血、視力低下、目やにの増加がみられます。
すぐに眼科を受診し、抗菌薬による治療を受ける必要があります。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超える場合に、その超過分を所得から控除することができる制度です。これにより、課税所得が減少し、結果的に税金が軽減されます。
医療費控除を受けるには、確定申告が必要です。
通常の給与所得者の場合、年末調整では申告できませんので、1月1日から12月31日までの間に支払った医療費について、翌年の確定申告期間 (通常は2月16日から3月15日) に申告を行う必要があります。
コンタクトレンズは、一般的な近視や乱視、老眼治療などの場合、医療費控除の対象にはなりません。
ただし、コンタクトレンズが医療費控除の対象となるのは、視力矯正のために医師の診断や処方に基づいて購入した場合です。たとえば、視力に関する病気 (例:角膜疾患) の治療目的で使用するコンタクトレンズの費用は、医療費控除の対象となることがあります。
最も清潔で感染リスクが少ないタイプです。
毎日新品に交換するため快適ですが、費用はやや高めです。
決められた期間内で繰り返し使用します。
毎日の洗浄・消毒が必要で、ケアを怠ると眼障害のリスクがあります。
一定期間 (通常1週間程度) つけたまま眠ることができます。
利便性が高い反面、角膜感染症やドライアイなどの合併症に注意が必要です。
耐久性が高く、長期間使用できるため経済的です。
角膜の形状補正に優れる一方、異物感が強く、眼瞼下垂などのリスクが報告されています。
老視 (老眼) に対応したレンズです。
費用は高めで、慣れるまで時間がかかることがあり、見え方に個人差があります。
老視に対応しつつ、遠近両用よりも自然で質の高い見え方が得られることがあります。
ただし、手元の見え方はやや劣る場合があります。
近視進行を抑制する効果もあるため、小児に使用されることもあります。
夜間に装用し、角膜の形状を矯正することで日中は裸眼で過ごせます。
近視抑制効果があり、特に子どもに使用されることがありますが、角膜障害に注意が必要です。
毎日新しいレンズに交換する「1日使い捨て型ソフトコンタクトレンズ (1day disposable soft contact lens) 」です。
毎回新品を使用することで、目への負担を最小限に抑えることができます。
毎日つけ外しを行い、使用後はレンズを洗浄・保存します。
レンズは2週間または1カ月ごとに新しいものに交換します。
コンタクトレンズのつけ外しは必要ありません。
1週間または1カ月ごとに新しいコンタクトレンズに交換します。
毎日のつけ外しを行います。1年ほどで新しいコンタクトレンズに交換します。
硬い素材でできています。
使い捨てタイプや連続装用タイプはなく、すべて毎日のつけ外しを行います。
2~3年で新しいコンタクトレンズに交換します。
遠くと近くの両方を見ることができます。
ソフトコンタクトレンズには1日使い捨てタイプ (1day) と2週間タイプ (2week) 、またハードコンタクトレンズのタイプもあります。
遠くから近くまで、連続的に見ることができます。
就寝前に特殊なハードコンタクトレンズを装用し、起床時に外します。
睡眠中に角膜 (黒目の表面) の形を矯正し、近視を一時的に改善します。
レンズは通常、2~3年ごとに新しいものに交換します。
洗浄・すすぎ・消毒・保存がすべてこの1本で可能。シンプルで使いやすいです。
過酸化水素タイプと違って中和の待ち時間がなく、すぐ使用可能です (最低4~6時間の消毒は必要) 。
中性~弱酸性で、目に優しいタイプが多く、初めての人でも使いやすいです。
過酸化水素系よりも安価な製品が多く、ドラッグストアでも手に入りやすいです。
強いタンパク汚れや脂質汚れには不十分なことがあり、こすり洗いが必須です。
「こすり洗い不要」と表示されていても、実際はこすった方が清潔さを保てます。
水道水でのすすぎ・保存は厳禁。過酸化水素タイプの方が感染リスクを下げる場合もあります。
稀にレンズ材質と合わない場合があり、違和感や曇りを感じることがあります。
消毒成分に「過酸化水素 (H2O2) 」を使った洗浄液で、非常に高い殺菌力があります。
使用後は専用ケース内で「中和」する必要があります (そのまま目に入れると危険です) 。
※必ず専用のケース・中和ディスクを使用してください。(他の容器では中和されません)
「完全に中和されたか」を確認してから装用してください。
製品によって中和時間が異なる場合があるため、説明書をご確認ください。
細菌・真菌・アカントアメーバなど、通常のMPSでは対応しきれない病原体にも効果があるとされます。
酵素成分が含まれているタイプもあり、汚れ落ちが良好です。
防腐剤によるアレルギーや刺激が少なく、目が敏感な方やアレルギー体質の方に適しています。
ケース内での化学反応により、物理的なこすり洗いをしなくても良い製品が主流です (ただし、こすった方が清潔) 。
中和前の過酸化水素は強い刺激性があり、そのまま使用すると激しい痛み・角膜障害のリスクがあります。
誤って目に入れると危険なので、小児や高齢者には不向きな場合があります。
「中和剤を入れ忘れた」「中和時間が足りなかった」など、使い方を誤ると目に重大なダメージを与えることがあります。
MPSと比べて若干高めで、専用ケースや中和剤の交換も定期的に必要です。
中和時間が必要なので、外泊時や外出先では使いづらいことがあります。
有効成分としてポビドンヨードを含み、強い殺菌・消毒作用があります。
中和とすすぎが必要です。
ポビドンヨードは、細菌・真菌・ウイルス・アカントアメーバにも効果があるとされています。
MPSに含まれる防腐剤 (PHMBなど) に対してアレルギーがある方には選択肢となります。
強い酸化力を持つ過酸化水素と比べ、刺激が少ないタイプもあり、目に優しい設計です。
ポビドンヨードの色 (茶色) がレンズやケースに残ることがあり、見た目が気になる人もいます。
ヨードや甲状腺疾患がある方は、使用を避ける必要があります。
薬品臭 (ヨード臭) が気になるという声もあります。
日本ではあまり多くは出回っていないため、取り扱い薬局や病院が限られることもあります。
一般的なMPSよりもコストがかかることがあります。
洗浄保存剤 (1液タイプ)
ハードコンタクトレンズ用の洗浄保存剤は、「洗浄」「保存」「すすぎ」のすべてに対応できる多機能タイプのケア用品です。
タンパク質分解酵素を用いたものと、界面活性剤を用いたものがあります。
洗浄剤と保存剤が分かれているタイプ (2液タイプ)
2液タイプの洗浄剤は、「洗浄液」と「保存液」が別々になっているケア用品です。
主に、しっかりと汚れを落としたい方に適しています。
タンパク質分解酵素を用いたものと、界面活性剤を用いたものがあります。
ヨード洗浄剤は、殺菌力の高い「ヨウ素(ヨード)」を成分に含む洗浄剤で、特に感染症の予防や強い除菌が求められる場面で使われます。
一般的には、洗浄力・殺菌力ともに非常に高い薬剤です。
中和とすすぎが必要です。