【保険適用】
レンティス コンフォートとは?
多焦点眼内レンズの特徴と選び方
LENTIS Comfort

概要

レンティス コンフォートは、保険適用の多焦点眼内レンズ(屈折型)です。

遠方から中間距離(およそ70cm)まで、自然に見ることができます。

手術費用は、単焦点眼内レンズと同じで、追加費用なしで手術を受けることができます。

メリット

保険が適用されるため、費用負担を抑えて多焦点レンズを選ぶことができます。

ハロー・グレア(光のにじみやまぶしさ)が少なく、単焦点眼内レンズに近いクリアな見え方が得られます。

中間距離の見え方が良好で、日常生活において快適な視界を確保できます。

デメリット

手元のピントが合いにくいため、読書やスマートフォンの操作時には眼鏡が必要となることがあります。

暗い場所では、ピントの合いにくさを感じる方がいらっしゃいます。

単焦点眼内レンズや強化型単焦点眼内レンズと比較すると、ハロー・グレアやコントラスト感度の低下が目立つ場合があります。

レンティス コンフォートでは、光の屈折による影響で、物が二重に見える「ゴースト現象」が生じることがあります。

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レンティス コンフォートについて

レンティス コンフォートは、参天製薬が販売している保険適用の多焦点眼内レンズです。
多焦点といっても、従来のような回折型ではなく、分節屈折型と呼ばれる独自の光学設計が採用されています。

この分節屈折型とは、レンズの上部と下部で異なる度数を持たせる構造で、視線の位置や光の入り方によって異なる距離にピントが合うよう工夫されています。
これにより、自然でなめらかな見え方が得られます。

本レンズには+1.5Dの加入度数が設定されており、これによって遠方から中間距離(おおよそ70cm)までの範囲を、眼鏡を使わずに見ることが可能です。

たとえば、テレビ視聴やパソコン作業、料理など、日常生活の多くの場面において快適な視界が得られます。

一方で、読書やスマートフォンなどの近距離作業では眼鏡が必要となる場合もありますが、ハロー・グレアが少なく、コントラスト感度も比較的高いため、単焦点眼内レンズに近い自然な見え方を希望される方に適した選択肢となっています。

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レンティス コンフォートの特徴

保険適用で手術費用の負担が少ない

レンティス コンフォートの最大の特徴は、多焦点眼内レンズでありながら医療保険が適用される点です。

これにより、単焦点眼内レンズと同じ費用で手術を受けることができます。費用負担を抑えながら、機能性の高いレンズを選ぶことが可能です。

クリアな見え方と高いコントラスト感度

一般的な多焦点眼内レンズに多い「回折型」とは異なり、レンティス コンフォートは「分節屈折型」の設計を採用しています。

そのため、コントラスト感度の低下が少なく、より自然でクリアな見え方が得られます。夜間や薄暗い場所でも、輪郭がはっきり見えるのが特徴です。

ハロー・グレアが少ない

夜間の運転時や明るい光を見たときに感じやすい「ハロー(光の輪)・グレア(まぶしさ)」といった光学的な副作用が少ないのも、レンティス コンフォートの大きな利点です。

これにより、夜間の視認性が良く、日常生活における不快感を軽減できます。

乱視矯正にも対応可能

レンティス コンフォートには、乱視矯正機能(トーリックタイプ)を備えたモデルもあります。

これにより、乱視がある方でも、より安定した良好な視力が得られます。

レンティス コンフォートのデメリット
失敗・後悔しないためにも知っておくべきこと

手元の見え方はいまいち

レンティス コンフォートは、目元から70cm の距離を見ることはできますが、それより近い距離はぼけてしまいます。

全体的なピントを手元に合わせることで近くが見えるようになりますが、その代わりに遠方の見え方が低下します。

片方の目を遠方と中間、もう一方を中間と近方に合わせる「モノビジョン」という方法を用いることで、遠方から近方まで見ることも可能です。

レンティス コンフォートのモノビジョン法についてはこちら

物がぶれて見える「ゴースト現象がある」

ゴースト現象(ghost image)とは、1つの物体が二重に見える、またはぼんやりと影のように重なって見える視覚現象です。

レンティス コンフォートは「分節屈折型」という構造を持ち、レンズ内に複数の度数領域が配置されています。

この構造により、遠方と中間距離の両方にピントを合わせることができますが、以下のような条件でゴースト現象が現れることがあります。

  • 光が複数の屈折領域を通ることで、視界にわずかにずれた像が重なる
  • 暗所やコントラストが強い場面(夜間の標識・点光源など)で、
    光の屈折の違いが目立ちやすくなる

この影響により、特に暗い背景に白い文字が浮かぶような環境や、夜間の車のライト、信号機などの強い光源を見る際に、「うっすらとした二重像」が見えることがあります。

個人差について

ゴースト現象の感じ方には個人差があります。

  • まったく気にならない方もいます
  • 視界の違和感として自覚される方もいます

また、脳の適応(神経順応)によって時間とともに軽減するケースも多く見られます。

予期せぬ「近視化」

レンティス コンフォートを挿入すると、術後にわずかに近視化することがあります。
この近視化は、術後数か月の経過で自然に改善してくる場合がありますが、改善が得られない場合には、レンズの交換が必要になることもあります。

クリアさは単焦点眼内レンズ
強化型単焦点眼内レンズ(Enhanced単焦点眼内レンズ)よりも劣る

回折型の多焦点眼内レンズと比べるとクリアに見えますが、単焦点眼内レンズや強化型単焦点眼内レンズと比べると、わずかにクリアさが劣ります。

ハロー・グレアは単焦点眼内レンズ
強化型単焦点眼内レンズ(Enhanced単焦点眼内レンズ)よりもある

ハロー・グレアは回折型の多焦点眼内レンズよりも少なめですが、単焦点眼内レンズと比べるとわずかに感じることがあります。

乱視軸がずれてしまうことがある

レンティス コンフォートは、手術後にレンズがわずかに回転しやすい傾向があります。
乱視補正のないレンズでは問題ありませんが、乱視補正機能のあるレンズでは、軸がずれることで乱視が再び現れる可能性があります。

レンズが回転した場合は、位置を調整する再手術が必要になることがあります。
手術から1か月を過ぎると、レンズの回転は基本的に起こりません。

レンティス コンフォートが向いている方

手術費用を抑えたいが、眼鏡の装用を減らしたい方

レンティス コンフォートは、保険適用の多焦点眼内レンズであるため、追加費用がかからず、単焦点眼内レンズと同じ費用で手術を受けることができます。

遠方から中間距離までの視力をカバーできるため、日常生活の中で眼鏡の使用頻度を減らしたい方にとって、費用対効果の高い選択肢です。

夜間に運転する機会が多い方

レンティス回折型の多焦点眼内レンズでは、夜間に光がにじんで見える「ハロー」や、まぶしさを感じる「グレア」といった症状が出やすく、夜間運転に支障をきたす場合があります。

一方で、レンティス コンフォートは非回折型レンズを採用しており、これらの光の副作用が少ないため、夜間でも比較的快適に運転できる可能性が高く、夜間に車を運転する機会が多い方に適したレンズです。

パソコン作業が多い方へ

レンティス コンフォートは、近く(読書距離)を見るのはやや苦手ですが、中間距離(約70cm)にピントが合いやすい設計になっています。

そのため、パソコン作業のような中間距離での作業であれば、眼鏡を使わずに見ることができる場合が多く、オフィスワークやデスクワークが中心の方にとっては使い勝手の良いレンズです。

ただし、状況に応じてメガネが必要になることがあることにご留意ください。

レンティス コンフォートで手元を見るための方法

レンティス コンフォートは遠方と中間にピントが合うレンズであるため、そのまま使用した場合は手元はメガネなしでみることはできません。

レンティス コンフォートで手元を見る方法には以下の2つがあります

レンティス コンフォートの-1D両眼視合わせ

レンティス コンフォートは通常、遠方と目元約70cm の2点にピントが合います。
-1Dの両眼視合わせは、全体的なピントをやや近方に調整する方法です。

この方法では、遠方のピントを約1m 程度に設定し、目元40cm まで見やすくします。

メリット

両眼で中間距離から目元40cm までメガネなしで見られる範囲が広がることです。

デメリット

遠方の見え方がやや低下する点です。

遠方の見え方を重視される方には適さない方法となります。

遠方の見え方を落として、中間と手元を見やすくします。

レンティス コンフォートのモノビジョン

片眼を遠方と目元約70cm に合わせ、もう一方を中間距離と目元約40cm に合わせる方法です。
左右で度数を変えることで、見える範囲を広げることができます。

度数差を大きくすると見える範囲はさらに広がりますが、左右の目で見え方が異なるため違和感が生じる可能性があります。

一般的には、違和感が起こりにくい-0.5Dから-1D程度の度数差をつけることが多いです。

メリット

-1Dの両眼視合わせより遠方が見やすいこと。

デメリット

左右の見え方に差が生じるため、患者様によっては不自由さや違和感を感じることがあります。

片眼を遠方と中間、もう一方を中間と近方を見えるようにします。

レンティス コンフォートに似た性能を持つレンズ

レンティス コンフォートに似た性能を持つレンズには、テクニス アイハンスビビネックス インプレスがあります。
これらは、強化型単焦点眼内レンズ(Enhanced 単焦点眼内レンズ)で、単焦点眼内レンズながら、遠方と中間距離(100cm)を見えるレンズです。

共通点

追加費用がかからないため、単焦点眼内レンズと同じ費用で手術が受けられる。
中間距離が見えるため、日常的な作業において快適な視界を確保できる。

異なる点

見える距離の違い

  • レンティス コンフォートは約70cm の中間距離が見えるのに対し、テクニス アイハンスとビビネックス インプレスは約100cm の距離が見える。
  • 手元(読書など)はレンティス コンフォートのほうが見やすい。

ハロー・グレアの違い

  • テクニス アイハンスとビビネックス インプレスは、ハロー・グレアが少ない。
  • レンティス コンフォートではわずかにハロー・グレアを感じることがある。

ピントの合いやすさの違い

  • テクニス アイハンスとビビネックス インプレスは、ピントが合いやすく視界が安定しやすい。
  • レンティス コンフォートは、ピントが合いづらく感じることがある。

遠方の見え方の違い

  • テクニス アイハンスとビビネックス インプレスは、遠方がよりクリアに見える。
  • レンティス コンフォートは、遠方視にやや劣る場合があるが、中間距離(特に70cm)の見え方が優れている。

まとめ

手術費用を抑えつつ手元の視力を重視したい方には、レンティス コンフォート。

遠方のクリアさを重視したい方には、
テクニス アイハンスやビビネックス インプレスがおすすめです。

レンティス コンフォートの
評判・感想・満足度は?

レンティス コンフォートは、保険適用で導入できる多焦点眼内レンズとして、多くの患者様から高い評価をいただいています。

「追加費用なしで手術ができ、遠くやパソコンの距離がよく見える」といったお声をはじめ、「夜間のまぶしさ(ハロー・グレア)が少なくて快適」「単焦点に近い自然な見え方で安心できる」といった感想も寄せられています。

特に、費用を抑えながらもメガネの使用を減らしたい方や、夜間の運転をされる方、パソコン作業が多い方から好評を得ています。

一方で、読書やスマートフォンのような近距離作業には眼鏡が必要な場合があるため、その点をあらかじめご理解いただいたうえでレンズを選択されています。

また、患者様によってはピントの合いづらさを感じたり、単焦点眼内レンズと比べてクリアさに欠けたり、ハロー・グレアを感じることで、単焦点眼内レンズへの交換手術が必要となる場合があることにも注意が必要です。

レンティス コンフォートの総合評価

評価軸 評価
見え方の自然さ
非常に高い
コントラスト感度
良い
ハロー・グレア
ほぼない
近方視力
メガネは必要
中間視力
裸眼で快適な距離が広い

解説医師

湯田 健太郎
きくな湯田眼科
院長 湯田 健太郎

専門

網膜硝子体手術・白内障手術・ICL手術

所属

きくな湯田眼科

院長

センター北しみずアイクリニック

理事

妙蓮寺眼科

非常勤