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充血とは

目が赤くなるのは、一般的に「白目」と呼ばれる部分に変化が起きたときです。
白目は、眼球の外側を覆っている白い部分で、医学的には主に2つの層から構成されています。

ひとつは、「強膜(きょうまく)」と呼ばれる、眼球を保護するための厚くて丈夫な膜です。

もうひとつは、その強膜の表面を覆っている「結膜(けつまく)」という、薄くて柔らかい膜で、まぶたの内側から白目の表面にかけて広がっています。

目が赤く見えるのは、強膜や結膜にある細かい血管が拡張したり、炎症を起こしたり、あるいは出血を起こしたりするためです。

白目の表面を覆っている透明な膜が「結膜(けつまく)」です。
その下にある白くて硬い組織が「強膜(きょうまく)」で、結膜によって覆われています。

結膜下出血

結膜の血管が切れることで、白目の部分が赤く見えることがあります。

これは「結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)」と呼ばれるもので、見た目は驚かれるかもしれませんが、ほとんどの場合、心配のいらない良性の現象です。

痛みや視力の変化はなく、特別な治療を行わなくても、通常は数日から1~2週間ほどで自然に吸収され、赤みも消えていきます。

ただし、体質によっては同じような出血を繰り返す方もいらっしゃいます。そのような場合も、経過を見ながら必要に応じて対応いたします。

まれに、血液が固まりにくい病気や血圧異常、糖尿病などの全身疾患が背景にあることがあります。

特に、両目に同時に出血が見られる場合や、出血の範囲が広い場合には、必要に応じて血液検査などの全身的な評価を行うこともあります。

結膜炎

アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダスト、コンタクトレンズなどに対するアレルギー反応で結膜に炎症が起きるものです。

原因によって症状や治療法が異なりますが、いずれも早めの対処で改善が期待できます。

アレルギー性結膜炎

アレルギー性結膜炎は、花粉やハウスダスト、コンタクトレンズなどに対するアレルギー反応で結膜に炎症が起きるものです。

春先の花粉症の時期や、コンタクトレンズ使用者によく見られます。

主な症状は、かゆみ·充血·涙目·異物感などで、点眼薬(抗アレルギー薬やステロイド)で炎症を抑えるのが基本的な治療です。

最近では、「アレジオンクリーム」という、まぶたに塗って症状を抑える外用薬も登場しました。

1日1回の使用でかゆみや炎症を和らげることができるため、点眼が苦手な方にも使いやすい製品です。

コンタクトレンズが原因の場合は、レンズの種類の見直しや一時的な使用中止が必要になることもあります。

ウイルス性結膜炎

ウイルス性結膜炎は、アデノウイルスやエンテロウイルスなどの感染によって起こります。
強い充血や大量の目やにが特徴で、非常に感染力が強いため、注意が必要です。

特にアデノウイルスによる「はやり目」は、学校保健法により医師が感染の恐れがないと判断するまでは出席停止となります。

一方、社会人の場合は法律上の就労制限はありませんが、職場での感染予防を考慮した行動が求められます。

ウイルスに直接効く治療薬はありませんが、症状を和らげるために抗生物質の点眼薬やステロイド薬が処方されることがあります。

細菌性結膜炎

細菌性結膜炎は、細菌による感染で結膜に炎症が起きるタイプの結膜炎です。
子どもや高齢者に比較的多く見られ、目やに(特に黄色や緑色)や充血、異物感などが主な症状です。

また、淋菌(りんきん)やクラミジアといった性感染症の一環として発症することもあり、この場合は重症化するおそれがあるため、早期の治療が重要です。

特に新生児や免疫力が低下している方では、まぶたの腫れや角膜障害を引き起こすこともあります。

治療には、抗生物質の点眼薬を使用します。症状や感染の程度により、内服薬や軟膏を併用することもあります。

強膜炎·ぶどう膜炎

「強膜(きょうまく)」とは、眼球の白目の部分を構成する、厚くて丈夫な膜で、結膜のすぐ下にある眼球の壁です。

強膜炎·ぶどう膜炎は、その強膜に炎症が起こる病気です。

見た目は結膜炎と似ていますが、充血がより強く、目の奥に響くような痛みを感じることがあります。

多くの場合、原因ははっきりしませんが、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患が背景にあることもあります。
そのため、症状の程度や全身の状態に応じて、血液検査などを行うことがあります。

治療には、ステロイドの点眼薬や内服薬を使用して、炎症をしっかりと抑えることが重要です。
症状によっては、眼科だけでなく内科やリウマチ科との連携が必要になることもあります。

ドライアイ

ドライアイは、目の表面をうるおす涙の量や質が不十分な状態で、目の乾きや疲れ、異物感などを引き起こします。

乾燥によって目の表面に小さな傷ができたり、炎症が起きたりすることで、充血が見られることがあります。

ドライアイを適切に治療することで、目のうるおいが保たれ、充血や不快感が改善されることが多くあります
人工涙液や保湿性の高い点眼薬、生活習慣の見直しなど、症状に応じた治療を行います。

ドライアイについてはこちら

眼精疲労·長時間のパソコン作業による充血

長時間のパソコン作業や読書などで目を酷使すると、目の疲れや乾燥が原因で、一時的に目が赤くなることがあります

これは、画面を長時間見続けることで、まばたきの回数が減り、目の表面が乾燥したり、目の血管が拡張して充血が起きるためです。

また、長時間の作業で目が疲れすぎると、目の痛みや頭痛、かすみ目なども伴うことがあります。

こうした症状を防ぐために、定期的に休憩を取る(20分おきに20秒、遠くを見つめるなど)ことが有効です。

外傷や異物

まつげやゴミが目に入ったり、目をこすったりすることで、目の表面が傷つき、充血が起こることがあります。
目をこすったりすると、傷が深くなる可能性があるため、注意が必要です。

特にコンタクトレンズを使用している場合、異物が目に入るリスクが高く、レンズの傷や汚れが原因で目が炎症を起こすこともあります。

コンタクトレンズを使用中は、目に異物が入らないように気をつけ、もし異物が入った場合は、すぐにレンズを取り外し、目を優しく洗い流すことが大切です。

急性緑内障発作

急性緑内障発作では、急激に眼圧が上昇することによって、目に強い充血が生じることがあります。
この発作は、放置すると視力に重大な影響を与える可能性があるため、早急な対応が必要です。

充血だけでなく、以下のような症状を伴うことが多いです。

視界がかすむ、見えづらい
目の痛み
頭痛や吐き気
光の周りに虹のような輪が見える(虹視症)

このような症状に心当たりがある場合は、すぐに眼科を受診してください。

急性緑内障発作についてはこちら

硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)

硬膜動静脈瘻は、頭蓋内の硬膜(こうまく)で、動脈(どうみゃく)から静脈(じょうみゃく)へ血液が直接流れ込んでしまう、非常にまれな疾患です。

この病気では、結膜(けつまく)の血管が拡張して目が充血するほか、以下のような症状が現れることがあります。

耳鳴りや心臓の鼓動が耳に響く感じ
ものが二重に見える(複視)
見えづらさや視力低下

血流の異常が脳梗塞(のうこうそく)や脳出血(のうしゅっけつ)、脳卒中(のうそっちゅう)を引き起こすリスクがあるため、確定診断後は脳神経外科での専門的な治療が必要です。

早期発見・早期治療が予後を左右しますので、これらの症状に心あたりがある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

よくある質問

目が赤い時はコンタクトレンズは中止した方がいいですか?

•結膜下出血の場合
結膜下出血の際には、コンタクトレンズの使用を中止する必要はありません。

•アレルギー性結膜炎の場合
かゆみなどの症状が軽度であれば、コンタクトレンズを使用することができます。
ただし、症状が強い場合は、症状が落ち着くまでコンタクトレンズの使用を中止することをおすすめします。

•細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、強膜炎の場合
これらの病気にかかっている場合は、コンタクトレンズの使用を中止する必要があります。
なお、これらの病気は見た目で区別が難しいことがありますので、症状について不安な点がある場合は、必ず眼科の担当医に直接ご相談ください。

コンタクトレンズを装着すると目が赤くなりますが、使用を中止すると改善します。改善するための良い解決方法はありますか?

コンタクトレンズを使用している方で、目のかゆみや充血が続く場合、アレルギー性結膜炎が疑われます。

アレルギーの原因として、以下の点が考えられます。

1.コンタクトレンズの材質
2.コンタクトレンズに付着している汚れ
3.コンタクトレンズの保存液

対処法としては、以下の方法があります。

使い捨てコンタクトレンズを使用している場合、1日使い捨て(1day)タイプに変更すると症状が改善することがあります。
保存液の変更も効果的な場合があります。
コンタクトレンズの材質を変更することで改善されることもあります。

これらの方法でも改善しない場合は、ICL(眼内コンタクトレンズ)などの近視矯正手術を受ける選択肢もあります。

近視矯正手術(ICL)について詳しくはこちら
目の充血が脳出血の前兆なことがありますか?

目の充血が脳出血の前兆になることは非常にまれですが、前兆となることがあります。
主に以下の2つのパターンがあります。

1.繰り返す結膜下出血が両目に起こる場合
血液中の「血小板」や「フィブリノゲン」、「トロンビン」など、血液を固める成分が少なくなると血液が固まりにくくなり、出血しやすくなります。このため、結膜下出血が両目に起こったり、繰り返すことがあります。

こうした症状の原因としては、「白血病」、「血友病」、「血球貪食症候群」などが考えられます。これらの病気では、結膜だけでなく、脳出血を引き起こすこともあります。

2.耳鳴りや物がダブって見える症状を伴う目の充血
硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)という血管異常が原因となる場合があり、これが脳出血を引き起こす可能性があります。

目の充血は人に移りますか?

ウイルス性結膜炎は人から人へ感染することがあります。それ以外の原因(例えば、アレルギー性結膜炎や結膜下出血など)の場合、感染の心配はありません。

また、強い目やにを伴う結膜炎は、ウイルス性結膜炎の可能性が高いと考えられます。この場合、感染を防ぐために、適切な衛生管理や眼科での診察を受けることが大切です。

目の充血とのどの痛み、熱など風邪のような症状があります。何が疑われますか?

ウイルス性結膜炎が疑われます。ウイルス性結膜炎は風邪の症状(喉の痛みや発熱)と一緒に現れることがあり、人に移す可能性があるため、早めに眼科を受診することをおすすめします。

咳、くしゃみ、嘔吐の後に目が赤くなりました。何が疑われますか?

咳やくしゃみ、嘔吐によって結膜の血管に圧力がかかることがあり、その結果、結膜下出血が起こることがあります。

例えば、お酒を飲みすぎて嘔吐した後に両目に結膜下出血が起こることがあります。

もし目の赤み以外に症状がなければ、様子を見ても問題ないことが多いですが、心配な場合は眼科で確認することをおすすめします。

片目だけ目が赤くなりました。何が疑われますか?

結膜下出血結膜充血は、片目だけに起こることがあります。
しかし、片目だけで病気を特定することはできません。

目の赤みが続いたり、他の症状が現れる場合は、早めに眼科を受診することをおすすめします。

両目が赤くなりました。何が疑われますか?

結膜下出血結膜充血は、両目に起こることがありますが、両目の赤みだけで病気を推測することはできません。

もし赤みが続いたり、他の症状が現れる場合は、早めに眼科を受診することをおすすめします。

妊娠中もしくは授乳中です。アレルギーの目薬は使っても大丈夫ですか?

アレルギーの目薬の添付文書には「妊婦への安全性は十分に検討されていません」と記載されています。

目薬の全身への影響はほとんどないと考えられますが、ステロイドなどの他の薬剤を使用することを検討する方がよいでしょう。

それでも改善が得られない場合には、アレルギーの目薬の使用を考慮することができますが、必ず医師に相談したうえで使用することをおすすめします。

子供の目が赤いです。何が疑われますか?

子供の目が赤くなる原因として多いのは、アレルギー性結膜炎ウイルス性結膜炎です。見た目で区別することは難しいため、早めに眼科を受診して、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。