多焦点眼内レンズとは白内障手術の時に目の中に挿入するレンズです。
(白内障と多焦点眼内レンズについてはこちらをご参考ください。)
多焦点眼内レンズを挿入することで、眼鏡がなくても手元から遠方まで見ることができます。
ただし、患者様に合っていない多焦点レンズが挿入された場合、手元も遠くもぼやけて見えてしまう場合があります。
・最新の検査機器による術前検査
・豊富な手術実績を持つ眼科専門医による丁寧なカウンセリング
により、ライフスタイルに合った適切な多焦点眼内レンズをご提案しております。
ぼやけて見えてしまう方の特徴として、
① 緑内障など白内障以外の病気がある方
② 明らかな目の病気がなくても高次収差に問題がある方
があげられます。
ここでは主に高次収差と多焦点眼内レンズの見え方について解説します。
収差とは、「点光源からでた光がレンズを通して像を結ぶとき、像が一点にならないこと」を収差といいます。わかりやすく表現するとピントのずれです。
収差は低次収差と高次収差に分けられます。
低次収差とは近視、遠視、乱視など我々が一般に耳にすることがある収差です。
高次収差には様々なものがありますが、眼鏡やコンタクトレンズで改善することができないピントずれと覚えてください。
高次収差は一般の眼科検査器具では測定することができません。
そのために高次収差が悪くても目の病気として認識されないことがほとんどです。高次収差は前眼部OCT装置やウェーブフロントアナライザーなど特殊な検査機器でのみ測定が可能です。ただし、これらの検査機器がある眼科は多くはありません。
多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズと比べてコントラスト感度の低下(色の濃淡が薄く、物の輪郭がやや不鮮明に見える)があります。目の異常がない方ではこのぼやけはごくわずかなため自覚することはあまりありません。
ただし、高次収差が悪い方はこのぼやけが強く出てしまうため、手元も遠くも見えにくいことがあります。
眼鏡やコンタクトレンズをつけても見えにくさは改善しないため、必要に応じて単焦点眼内レンズへの交換を行います。
注意点として、高次収差は手術後には一時的に悪くなります。そのために、多焦点レンズの白内障手術を受けられた方には手術直後に見えにくいことがあります。高次収差は数カ月ほどすると改善してくるため、ほとんどの方で見え方は改善してきます。手術直後に多少見えづらくても過度に心配する必要はありません。
レンズの種類を決める上で高次収差の測定は重要です。
しかしながら、多焦点レンズの白内障手術を行っているすべての施設で高次収差を測定しているとは限りません。
また、測定していたとしても利益を優先するあまりに多焦点レンズを勧めてくるケースもあります。
当院では多焦点レンズの手術を検討されている方、全てにTOMEY社製の前眼部OCT「カシア2」を用いて高次収差を測定して、多焦点レンズの種類を決定しております。
このような方にお勧めする眼内レンズは4つになります。
① 通常の単焦点眼内レンズ
② テクニス アイハンス (単焦点眼内レンズで目元1m から遠方まで見える)
③ テクニス ピュアシー (多焦点眼内レンズで目元40cm から遠方まで見える)
④ クラレオン ビビティ (多焦点眼内レンズで目元40cm から遠方まで見える)
これらの眼内レンズは通常の多焦点眼内レンズよりもコントラスト感度の低下が少なく、目の病気がある方や高次収差が悪い方でも使用することができます。
ただし、従来型の多焦点眼内レンズと比較して手元の見え方は劣る傾向がありますのでご注意ください。
これから多焦点レンズの白内障手術を考えている方
他院で多焦点レンズを勧められたが高次収差の異常があるか
ご不安がある方は当院までご相談ください。
従来の多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズと比べてコントラスト感度の低下(色の濃淡が薄く、物の輪郭がやや不鮮明に見える)があります。
白内障以外の異常がある方や高次収差が悪い方が従来型の多焦点眼内レンズを使用すると、手元も遠方もぼやけて見えてしまうことがあります。
高次収差は特殊な検査機器でなければ測定できず、多焦点レンズの白内障手術を行っているすべての施設で高次収差を測定しているとは限りません。

きくな湯田眼科
院長
センター北しみずアイクリニック
理事
妙蓮寺眼科
非常勤