テクニス ピュアシー
眼科医が認めた "本当に見やすい"多焦点レンズの実力
TECNIS PureSeeTM

概要

テクニス ピュアシーは、ジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発した、白内障手術で使用される焦点深度拡張型(EDOF: Extended Depth of Focus)の多焦点眼内レンズです。1)
このレンズは、「焦点をいくつかの距離に合わせる」のではなく、「1つの焦点を広く引き伸ばす」ことで、より自然な見え方を実現するというコンセプトに基づいています。
その特性により、遠方から中間距離までの見え方の質が高く、コントラスト感度にも優れており、夜間でもハローやグレアといった光のにじみが少ないことが報告されています。
焦点深度拡張型レンズの特性上、手元(近方)の見え方は、他の多焦点レンズと比べるとやや劣る傾向があります。
そのため、読書やスマートフォンを頻繁に使う方には別のレンズが適している場合もありますが、「遠くがくっきり見えること」を重視される方には、非常にバランスの良い選択肢となる眼内レンズです。
ごくわずかにレンズの焦点を近方に設定することで、遠方から近方まで幅広い距離を鮮明に見ることができます。
焦点深度が拡張しているため、わずかな近方シフトでも遠方の見え方を損なわず、クリアな視界を維持できます。
性能の面では、アルコン社製の「クラレオン ビビティ」と似た特性を持っており、どちらも「自然で快適な遠方~中間距離の見え方」を重視した設計となっています。

引用 1) https://jnjvisionpro.eu/products/tecnis-puresee-iol

ピュアシーは焦点深度を拡張することで、遠方から近方まで見ることができます。
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テクニス ピュアシーとは?

テクニス ピュアシーは、
テクニス アイハンスとテクニス シンフォニーの“いいとこ取り”をした新しいレンズです。

多焦点眼内レンズを選ぶ際、どのレンズにも「見え方の特徴」や「メリット・デメリット」があります。
テクニス ピュアシーは、これまでに発売されていた テクニス アイハンス や テクニス シンフォニー の特性をうまく融合させた、バランスの良い焦点深度拡張型(EDOF)レンズです。

テクニス ピュアシー(レンズイメージ)
医療機器承認番号 30600BZX00167000
販売名 TECNIS PureSee 焦点深度拡張型IOL Simplisity
製品名(モデル) テクニス ピュアシー オプティブルーSimplicity
(モデル:DEN00V)
全長 13.0mm
光学部直径 6.0mm
材質 紫外線・紫色光吸収剤含有アクリル-
メタクリル架橋共重合体
光学部デザイン ProTEC360°シャープエッジデザイン
支持部デザイン Haptics offset from optic,tri-FIXデザイン
屈折率 1.47(35℃)
度数範囲 +5.0~+28.0(0.5D刻み)

テクニス アイハンスとは?

テクニス アイハンスは、ジョンソン・エンド・ジョンソン社が開発した進化型の単焦点眼内レンズです。

  • 遠く~中間距離(約1m)まで、メガネなしで自然に見える設計となっており、「単焦点レンズなのに多焦点に近い見え方ができる」と評価されています。
  • コントラスト感度が高く、夜間の運転や薄暗い場所でも見やすく、またハロー・グレア(光のにじみやまぶしさ)もほとんど出ないのが特徴です。

ただし弱点としては…

手元の見え方(たとえば読書やスマートフォン使用時など)ではメガネが必要になる場合が多く、近方視を求める方にはやや物足りなさがあるレンズです。

テクニス シンフォニーとは?

テクニス シンフォニーは、同じくジョンソン・エンド・ジョンソン社製の焦点深度拡張型(EDOF)多焦点眼内レンズです。

  • 遠方~手元まで、連続的に見える焦点構造を持っており、テクニス アイハンスよりもさらに近い距離までピントが合いやすい設計です。
  • コントラスト感度の低下も抑えられており、自然でスムーズな見え方を実現しています。

ただし弱点としては…

回折構造による多焦点設計のため、ハロー・グレアが比較的強く出る傾向があり、夜間や逆光時に光がにじんで見えることがあります。

テクニス ピュアシーは?

テクニス ピュアシーは、テクニス アイハンスの高いコントラスト感度と、テクニス シンフォニーの焦点深度拡張機能を組み合わせた、新しいEDOFレンズです。

テクニスシンフォニーと同様に、遠方から中間~近方までスムーズな見え方が可能でありながら、
テクニス アイハンスのようにコントラスト感度が高く、ハロー・グレアが非常に少ないという特性をあわせ持っています。

つまり、「遠くをくっきり、手元もそこそこ見え、夜間の見え方にも優れている」という、非常にバランスの良い見え方を実現した多焦点眼内レンズといえます。

logMARは低い数値ほど視力がよい

logMAR 視力
-0.1= 1.25
0 = 1
0.1= 0.8
テクニス ピュアシーの視力は
テクニスシンフォニーと同程度

point

テクニス ピュアシーの特徴

テクニス ピュアシーはハロー・グレアが大きく抑えられている

テクニス ピュアシーは、これまでの多焦点眼内レンズで問題となることが多かった「ハロー(光の輪)」や「グレア(まぶしさ)」が非常に少ないことが特徴の一つです。

ハローやグレアは、特に夜間の運転時や暗い場所でのライトの見え方に影響し、「まぶしい」「光がにじむ」「見づらい」といった違和感の原因になることがあります。

これらの現象は、回折型の多焦点眼内レンズに多く見られるものでした。

テクニス ピュアシーは、焦点深度拡張型という設計を採用しており、回折構造を使わずに焦点の幅を持たせる設計になっています。
その結果、光の干渉によるにじみが少なく、夜間や逆光でも自然に見えるという利点があります。

夜間の運転や外出が多い方、光のにじみが気になる方にとって、ストレスの少ない視生活が期待できる多焦点眼内レンズです。

テクニス シンフォニー テクニス ピュアシーのハロー・グレアは単焦点眼内レンズと同程度

テクニス ピュアシーは乱視の調節ができる
レンズの特殊加工により乱視の軸ずれが起こりにくい

テクニス ピュアシーは乱視の調節が可能です。

ただし、乱視用の眼内レンズは術後にレンズが回転してしまうと乱視の補正がずれてしまう可能性があります。

しかし、テクニス ピュアシーではレンズの支持部に曇りガラス状のすべり止め加工が施されており、この特殊な加工によってレンズの回転が起こりにくくなり、乱視のずれを防ぐことができます。

コントラストがはっきり見える設計

テクニス ピュアシーは、光のにじみやぼやけを抑える光学設計により、暗い場所や薄暗い環境でも物の輪郭がはっきりと見えやすいのが特徴です。

従来の多焦点レンズに比べ、コントラスト感度が高く、くっきりとした見え方が得られます。。

遠方イメージコントラスト

MTF(Modulation Transfer Function)は、見え方の「クリアさ」や「鮮明さ」を表す指標です。

この数値が高いほど、コントラストの再現性が良く、よりくっきりとした見え方が得られることを意味します。

テクニス ピュアシーは他の多焦点眼内レンズよりもクリアに見えます。

レンズの度数ずれや位置ずれに強い

通常、眼内レンズは目の中でわずかに位置がずれたり、度数が計算と少し異なったりすることがあります。

こうした「ずれ」は、特に多焦点眼内レンズにおいては見え方の質に大きく影響を与えることがあるため、非常に重要なポイントです。

しかし、テクニス ピュアシーは、こうした度数や位置のわずかな誤差に対しても影響を受けにくい設計になっており、

  • 焦点がぶれにくく
  • 安定した視力を維持しやすい

という特徴があります。

テクニス ピュアシーのデメリット
失敗・後悔しないためにも知っておくべきこと

手元の見え方はやや劣る

テクニス シンフォニーと同様に、テクニス ピュアシーは遠方から中間距離の見え方に優れた眼内レンズです。

しかし、他の多焦点眼内レンズと比べると、手元(30~40cm 程度)の見え方はやや劣る傾向があります。

日常生活の多くの場面ではメガネなしでも十分に過ごせる設計ですが、読書やスマートフォンの操作など細かい作業や近くを見る作業を快適に行うためには、必要に応じて手元用のメガネを併用することをおすすめします。

国内での使用実績が少ない

テクニス ピュアシーは、ヨーロッパをはじめとした海外ではすでに一定の使用実績がありますが、国内では導入されてからの期間がまだ短く、現時点では使用例が比較的少ないのが現状です。

そのため、日本国内での長期的なデータや症例報告は今後の蓄積が期待される段階です。

費用が高い

テクニス ピュアシーは「選定療養」に該当する多焦点眼内レンズです。

手術そのものには健康保険が適用されますが、レンズ代などの追加費用は自己負担となります。

そのため、単焦点眼内レンズに比べると費用が高くなる点は、事前にご理解いただく必要があります。

コントラスト感度の低下がある

テクニス ピュアシーに限らず、多焦点眼内レンズは単焦点眼内レンズに比べて、見え方の質がやや低下し、「コントラスト感度の低下」がみられることがあります。

ただし、テクニス ピュアシーはクラレオン パンオプティクスやテクニス オデッセイといった「回折型」の多焦点眼内レンズに比べて、コントラスト感度の低下が比較的小さく抑えられているのが特徴です。

それでも、まれにコントラストが弱く感じられ、物が少しかすんで見える「ワクシービジョン」と呼ばれる見え方を感じることがあります。

テクニス ピュアシーで近くをクリアに見る方法

テクニス ピュアシーは、他の多焦点眼内レンズと比べると手元の見え方はやや劣る傾向があります。

しかし、レンズのピントをごくわずかに近方寄り(-0.5~-1D)に設定することで、近くをよりクリアに見ることが可能です。

通常、この方法では遠方視力の低下が懸念されますが、テクニス ピュアシーは焦点深度が広く、遠方にも焦点が拡張しています。

そのため、ピントを近方にわずかにシフトしても、遠方の見え方は大きく損なわれません。

テクニス ピュアシーはこんな方におすすめ

夜間運転など、コントラスト感度や光のにじみの少なさを重視する方
手元を見る頻度はそこまで高くないが、できるだけ自然な見え方を希望する方

解説医師

湯田 健太郎
きくな湯田眼科
院長 湯田 健太郎

専門

網膜硝子体手術・白内障手術・ICL手術

所属

きくな湯田眼科

院長

センター北しみずアイクリニック

理事

妙蓮寺眼科

非常勤