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2026.10.19 ICL白内障

ICL手術後に白内障になったらどうする? ICL抜去と白内障手術について眼科医が解説|横浜・きくな湯田眼科

ICL(眼内コンタクトレンズ)手術を受けたあと、「将来、白内障になったらどうなるのですか?」と心配される方は少なくありません。

結論からいうと、ICLが入っていても白内障手術は可能です。白内障が進行して手術が必要になった場合には、ICLを取り出したうえで濁った水晶体を除去し、眼内レンズを挿入します。ICLを受けたから将来の白内障手術ができなくなるわけではありません。

ICL手術後の白内障について考える女性


ICL手術後に白内障になることはあります

ICLは、目の中にある水晶体を残したまま、その手前に薄いレンズを挿入して近視や乱視を矯正する手術です。そのため、手術後も自分の水晶体は残っています。

自分の水晶体が残っている以上、年齢とともに白内障になる可能性はあります。また、ICL手術後の白内障は、ICLの添付情報でも知られている合併症の一つです。ただし、白内障が生じたからといって、すべてがICLだけを原因として起きたとは限りません。加齢による変化などが重なっていることもあります。


なぜICL後に白内障が起こるのでしょうか

ICLは水晶体のすぐ前方に留置されます。ICLと水晶体の間には「vault(ボールト)」と呼ばれる距離があり、この間隔が適切に保たれていることが重要です。

ボールトが低く、ICLと水晶体の距離が非常に近い場合などには、水晶体前面の混濁が生じることがあります。一方で、ICLを入れてから長い年月が経過した方では、ICLとは関係なく通常の加齢性白内障が進行することもあります。

現在使用されている中央に孔のあるタイプのICLでは、従来型と比べて眼内の房水循環を考慮した設計になっていますが、白内障の可能性が完全になくなるわけではありません。定期的な眼科検診が大切です。


ICL後の白内障ではどのような症状が出ますか?

白内障の主な症状と見え方のイメージ

白内障が進行すると、ICLで良好な視力が得られていた方でも、次のような変化を感じることがあります。

  • ・以前より視界がかすむ
  • ・眼鏡をかけても見えにくい
  • ・光がまぶしく感じる
  • ・夜間の見え方が低下した
  • ・視力が徐々に落ちてきた
  • ・近視や乱視の度数が変化した

ICLそのものに問題があるように感じても、実際には白内障が原因ということがあります。見え方が以前と変わってきた場合には、ICLの位置だけではなく、水晶体の状態も確認します。


白内障になったらICLはどうする?

白内障が軽度で、日常生活に支障がなければ、すぐに手術を行わず経過をみることもあります。

一方、白内障によって視力や見え方が低下し、手術が必要になった場合には、ICLを抜去して白内障手術を行います。多くの場合、ICL抜去と白内障手術は同じ手術の中で行うことができます。


ICL抜去と白内障手術の流れ

1
ICLを眼内から取り出します

2
濁った水晶体を超音波で除去します

3
度数を計算した眼内レンズ(IOL)を挿入します

4
術後の視力・眼圧・網膜などを確認します

近年の日本の多施設研究でも、白内障を生じたICL挿入眼に対して、ICL抜去と白内障手術・眼内レンズ挿入を同時に行った症例で良好な視力改善と屈折精度が報告されています。

ICL抜去から白内障手術、眼内レンズ挿入までの4つの流れ


ICLを抜去すると、近視は元に戻るのですか?

ICLだけを取り出せば、ICLで矯正していた近視は再び現れます。しかし、白内障手術では水晶体の代わりに新しい眼内レンズを挿入するため、その眼内レンズの度数を調整して、白内障治療と同時に術後の屈折を設定します。

単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズなど、どのレンズが適しているかは、角膜・網膜の状態、眼軸長、希望する見え方などを確認して決めていきます。特にICLを受けた方は強度近視で眼軸が長いことも多いため、眼内レンズ度数の計算や網膜の確認も重要です。


他院でICL手術を受けた方の白内障手術にも対応しています

当院では、他院でICL手術を受けた方でも白内障手術に対応しています。

白内障手術を当院で行う場合、ICLの抜去に追加費用はいただいておりません。ICLを挿入した医療機関が当院でなくてもご相談いただけます。

※白内障手術自体にかかる費用は、選択する眼内レンズや診療内容に応じて通常どおり必要です。

「以前ICLを受けたクリニックが遠い」「ICL手術を受けた医療機関では白内障手術を行っていない」といった場合も、まずは現在のICLの状態と白内障の程度を確認します。


ICL後だからこそ、白内障以外の確認も大切です

ICLを受けた方の中には、もともと強度近視の方が多くいらっしゃいます。強度近視では、白内障だけではなく、網膜裂孔・網膜剥離・黄斑部の病気などが見え方に影響することがあります。

そのため、視力低下の原因を「白内障だろう」と決めつけず、ICLの位置、水晶体、角膜、眼圧、眼底まで総合的に確認したうえで治療方針を決めることが重要です。


まとめ

ICL手術後でも、将来的に白内障になる可能性はあります。しかし、白内障になったからといって治療が難しくなるわけではありません。手術が必要な状態であれば、ICLを抜去し、白内障を除去して眼内レンズを挿入することができます。

ICL手術後に「最近かすむようになった」「以前より視力が落ちた」「白内障と言われた」という方は、ICLと白内障の両方を評価できる眼科で一度状態を確認することをおすすめします。


参考文献

  • ・STAAR Surgical / U.S. Food and Drug Administration. EVO ICL Physician Labeling (P030016/S035).
  • ・Kamiya K, et al. A Multicenter Study on Clinical Outcomes of Simultaneous Implantable Collamer Lens Removal and Phacoemulsification with Intraocular Lens Implantation in Eyes Developing Cataract. Ophthalmol Ther. 2025;14(2):337-350.
  • ・Nakamura T, et al. Posterior Chamber Phakic Intraocular Lens Implantation for the Correction of Myopia and Myopic Astigmatism: A Retrospective 10-Year Follow-up Study. Am J Ophthalmol. 2019;206:1-10.

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