こんにちは。横浜のきくな湯田眼科です。
視力矯正手術では、レーシックとICLの2つが最も知られている手法であり、皆様もよく耳にするのではないでしょうか。
しかし、最近ではその2つに加えIPCL(Implantable Phakic Contact Lens)という手法を耳いすることが増えてきました。こちらはまだまだ知らない方も多いのではないでしょうか。今回はIPCLについての内容を書いています。
1. IPCLとは
IPCLはEyeOL社から2014年に発売開始された新しい後房型の有水晶体眼内レンズです。2017年にヨーロッパにてCEマーク(安全性)を取得し、全世界40カ国以上で使用実績があります。日本では2015年より使用実績があります。
2. ICLとの違い
IPCLとICLは両方とも眼内にレンズを挿入する手法ですが、それぞれ異なる特徴があります。ICLは、STAAR 社によって開発された後房型の有水晶体眼内レンズであり、コラマーという合材で作られています。
一方で、IPCLはICLと同様に眼内にレンズを挿入する手法ではありますが、EyeOL社から2014年に発売開始された新しい後房型の有水晶体眼内レンズであり、ハイブリット親水性アクリルで作られています。
要するにレンズの違いが、ICLとIPCLの違いということになります。このレンズの違いに伴う、術後の取りはずしのしやすや他にも費用感に違いがあります。
また、ICLとの決定的な違いは、日本で承認を得ている眼内レンズかどうかになります。ICLで使用するSTAAR社の眼内レンズは、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA;Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)によって日本で承認がされています。しかし、IPCLで使用するEyeOL社の眼内レンズは、厚生労働省から国内での臨床使用許可を受けているものの、国内未承認の眼内レンズになります。
3. 注意点
最近耳にするようになってきたこのIPCLですが、一部のクリニックでは、IPCLをICLとして提供している場合があるそうです。これにより、手術を受ける患者様が正確な情報を得づらくなり、誤った選択をしてしまう可能性があります。ICLを検討している場合やICL手術を受ける際には、上記のレンズの種類やICLとの違いなどについて確認してみるのがいいかもしれません。