小児の近視治療

Information

近視とは?

近視とは、遠くの物がはっきり見えず、近くの物ははっきり見える状態のことです。
ピントが網膜より手前に合っている状態です。

近視の原因

原因は、2つに分けられます。
①軸性近視
眼球の長さである「眼軸」の長さが正常よりも長いために、ピントが網膜より手前に合ってしまう
②屈折性近視
角膜や水晶体の屈折力が強く、目から入ってきた光のピントが網膜より手前に合ってしまう

近視の治療方法

近視は、眼球の長さである「眼軸」が伸びる軸性近視が多くみられます。
生まれたばかりでは、誰でも眼球が小さく遠視ですが、成長に伴い眼球が大きくなり、正視や近視の方向に進みます。一度眼軸長が伸びてしまうと、戻ることがありません。そのため、顔軸が伸びる成長期に眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するために重要です。
近視の進行を抑制するために有効な方法がいくつかあります。

近視の治療方法
≪低濃度アトロピン/
マイオピン≫

低濃度アトロピンは、Singapore Natuonal Eye Centre(SNEC:シンガポール国立眼科センター)の臨床試験で、近視抑制効果が証明されました。眼軸長の伸展を抑制する効果がある(近視の進行を平均で60%軽減させる)といわれています。

低濃度アトロピンの
メリットとデメリット

メリット デメリット
・副作用がほとんどない点眼薬
・近視の進行を平均60%抑えることができるとされている
・光のまぶしさの影響が少ない
・目の調節機能や近見視力にほぼ影響がない
・1日1滴、就寝前に両眼に点眼するだけ
・低年齢でも使用できる
・簡便である
・眼鏡やコンタクトレンズとの併用も可能
・近視が進まないようにする治療であり、
視力を回復する治療ではない。
そのため、裸眼で視力が改善しないので治療の効果を感じにくい
・進行を抑制するものなので、治療していれば全く近視が
進まないというわけではない
低濃度アトロピンは長期に渡り、続けることが重要です。ご不明な点がございましたら、いつでもご相談ください。

低濃度アトロピンの価格

低濃度アトロピンは自費診療です。健康保険や医療費助成制度は適応されません。
薬剤費用(1本):自己調剤0.01%アトロピン点眼薬 1,100円(税込)
※その他一般眼科診療の費用が発生します。

近視の治療方法
≪オルソケラトロジー≫

一般的なコンタクトレンズとは異なり、寝ている間に特殊な形状をしたオルソケラトロジーレンズを装用し、角膜の形状を矯正することで、日中裸眼で生活できるようにする近視矯正方法です。
きくな湯田眼科でオルソケラトロジーに使用するレンズは、ブレスオーコレクトとマイエメラルドです。
ブレスオーコレクトは、夜間装用として厚生労働省に製造販売承認を受けた、日本人の角膜に合うように特別にデザインされたレンズです。

オルソケラトロジーの特徴

・メガネやコンタクトレンズなしで生活することができます。
・裸眼でスポーツを楽しみたい方に向いています。
・裸眼で生活したいけど、、外科的手術には抵抗がある方に向いています。
・取り扱いはハードコンタクトレンズとほぼ同じです。異なるのは、寝ている間にレンズをつけることです。
・可逆性がありますので、治療を止めれば元に戻ります。
・治療は-1.00D~-4.00D程度の中等度までの近視が対象です。
・コンタクトレンズ装用の異物感や、効果が出て安定するまでに数日~数週間かかります。
・十分な睡眠時間が必要です。寝ている間に矯正をするので、最低でも5時間以上の睡眠時間が必要です。
睡眠時間が短いと、矯正する力が弱まります。
・暗いところや夜間は瞳が開くので、矯正されていない部分の角膜の影響で光がにじむ方もいます。

オルソケラトロジー
予測される合併症

従来の昼間装用のハードコンタクトレンズと同じ合併症が起こる可能性があります。
角膜の炎症、結膜炎、充血、眼ヤニ、痛み、角膜新生血管、感染症、角膜へのレンズの固着、レンズのズレ、角膜浮腫、角膜内皮障害、乱視や光のにじみなど、これらの合併症が起こらないように定期検査を受けることが大切です。

オルソケラトロジー
治療費について

オルソケラトロジー値段
(2019.10.1~)

  ブレスオーコレクト マイエメラルド
レンズ代
(片眼のみは半額)
初回のみ点眼・ケア用品・
1W後の定期検査代含む

153,000円

初回のみ点眼・ケア用品・
1W後の定期検査代含む

133,000円

適応検査

5,100円

定期検査

5,100円

トライアル料金

5,100円

レンズ保証金

62,000円

56,000円

トライアル時の破損紛失

1枚
31,000円

1枚
28,000円

紛失

3年以内の再作製
36,000円

3年以降の再作製
46,000円

2年以内の再作製
31,000円

2年以降の再作製
41,000円

保証 ・半年以内の処方交換OK(何回でも)
・1年以内の破損交換OK
(両眼とも1回)
・3ヶ月以内の中止:レンズ代半額返金
・1ヶ月以内の破損:両眼とも1回無料
・新規より2年以内
 →破損は28,000円

詳細な値段の内訳

  ブレスオーコレクト マイエメラルド
初回

適応検査
5,100円

トライ希望
5,100円

貸出
62,000円

合計 72,200円

適応検査
5,100円

トライ希望
5,100円

貸出
56,000円

合計 66,200円

2回目 ・購入の場合→レンズ代の残額のみを頂く。
その日の定期検査代と1ヶ月分のケア用品・点眼含む。

残金
91,000円

残金
77,000円

・購入なしの場合→レンズ貸出金返金
その日の定期検査代のみかかる。

返金
62,000円

検査料
5,100円

(→56.900円の返金)

返金
56,000円

検査料
5,100円

(→50.900円の返金)
3回目以降 定期検査代 5,100円
※ケア用品、点眼代は含まない。
オルソケラトロジーは自費診療となります。
それ以外の症状(学校検診の書類記入も含む)は保険診療となり、同日診療はできません。
※点眼薬について
初回と初回 CL 購入時は院内にてラクリミンとソフトサンティア各1本お渡しします。
以降、ラクリミンは希望時のみ(自費)、ソフトサンティアはお近くの薬局にて各々購入していただきます。

低濃度アトロピンと
オルソケラトロジーの併用

低濃度アトロピンとオルソケラトロジーの併用をすることで、-1.00 ~-3.00Dの軽度近視では、近視抑制に最適な治療オプションである可能性があるという発表があります。
当院では、低濃度アトロピンとオルソケラトロジーの併用もおこなうことができます。

近視の治療方法
≪焦点深度拡張型レンズ≫

当院では、小児の近視抑制効果が報告されている多焦点ソフトコンタクトレンズの取り扱いがあります。焦点深度拡張型コンタクトレンズ(EDOF:Extended depth-of-focus)といい、遠・中・近方の度数をリング状に何重にも連続させたレンズです。焦点深度(ピントが合っていると認識できる範囲)の拡張をおこなうことで、目の伸長(眼軸長)を抑制します。近視進行を抑制します。

焦点深度拡張型コンタクトレンズは、1dayの使い捨てソフトコンタクトレンズです。オルソケラトロジーに比べて、角膜や結膜への障害が少なくなっています。毎日交換をおこなうため衛生的であり、洗浄の手間はありません。とても安全で近視抑制をおこなうことができる治療方法となっております。

オルソケラトロジーでは、近視が強い場合は非適応になることもありますが、焦点深度拡張型コンタクトレンズでは、強度近視眼にも対応できるようにレンズが設計されております。ただし、焦点深度拡張型コンタクトレンズは、日中に使用する使い捨ての1日タイプのコンタクトのため自己管理が必要となります。
アクセス

ACCESS

東急東横線/JR横浜線「菊名駅東口」徒歩1分
(東口を出て右へ進んでいただきます。進行方向左手の「Fit Care/TSUTAYA」の先が当院になります。)

住所

〒222-0011 神奈川県横浜市港北区菊名4-3-11

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