きくな湯田眼科

VERIS(多局所網膜電位検査)、VEP(視覚誘発脳波検査)について

いずれも特殊な刺激装置を用い、網膜の部分的な反応の異常や視神経障害を見つけることができます。
VERISは原因不明の視力低下でしばしば限定検査では発見できないわずかな網膜の機能異常を捉えることができます。AZOOR、錐体ジストロフィーでは診断に必須の検査です。
VEPは神経疾患では必須の検査で、特に多局所視覚誘発脳波検査では、視神経の部分的な障害をも捉えることができます。

本検査機を使用した症例紹介

以下に本検査機が診断に有用であった症例を2つ提示します。

症例1、AZOORを疑われて紹介された症例です。VERISで正常な右眼に比べ、左眼では全体的に反応低下が見られます(図1)。しかし、OCTでは、AZOORに特徴的な網膜視細胞層のいわゆるIS/OS ライン に異常が見られません(図2)。VEPでは正常な右眼に比し、左眼での反応低下が著しく(図3)、神経障害が強いことを示しており、AZOORではないことが確定しました。本例は最終的に虚血性網膜視神経症と診断されました。

veris1
veris2
veris3

症例2、やはりAZOORを疑われて紹介された症例です。本例は典型的なAZOORの所見を認めました。矯正視力は両眼1.0でしたが、左眼に視野異常(図4)が見られました。眼底は異常が見られませんでした(図5)。VEPでは左右差なし(図6)。VERISで視野欠損に一致した左眼の反応低下が見られました(図7)。OCTで左眼にIS/OSラインの消失が捉えられました(図8)

veris4
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veris7
veris8

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